使うと眠くなる作用のある精油があります
アロマテラピーはいつ行ってもいいものですが、一部の精油は使うと眠くなったり、ぼーっとしたりする作用があります。
「日中使わない方がいい精油」と注意書きに上がっているのですが、よく考えたら不眠の人にとってはそれはありがたい作用ですよね。
ただ、様々な精油が眠りを助けるとは言われていますが、
・体が冷えて眠れない
・考え事がアタマをぐるぐるしてしまって眠れない
・仕事の興奮がなかなかさめなくて眠れない
などなど、眠れない理由は人それぞれ・様々だから、なかなかどれか1本に絞れずに迷ってしまうという声も聞きます。
そこで、アロマインストラクターの私が、そんな眠れないシチュエーション別・精神状態別に、おすすめの精油を6本上げてみました。
交感神経など体への作用の他に、アロマのもう一つの醍醐味である心への作用についても加えて選んだ6本です。
最後まで読めば、あなたの眠りを助ける1本が絞り込めますよ!
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眠くなる作用がある精油6本
これまで様々な本・使った方からの感想などを合わせてみて、以下の6つが代表的な「香ると眠くなる」エッセンシャルオイルです。
【眠くなる作用がある精油】
ベンゾイン
マジョラム
ベチバー
カモミール・ローマン
真正ラベンダー
教科書的には他にも眠くなる精油はありますが、個人的に「眠くなった」と聞いたことが多いものや、自分でも実際そうなるな~と思えるものを厳選するとこの6本。
あなたが今お持ちのものはありますか?
アロマテラピーでは、精油は単に心をリラックスさせるだけではなくて、
・副交感神経を優位にしてくれるので眠くさせる
・体温を上げて眠くさせる
・鎮静作用で眠くさせる
など、体の様々な部分に働きかけて、複合的に眠りへと導いてくれるのです。
いったいどの精油がどんな人に向いているのか?
香りの好みや既に持っている他の精油との兼ね合いも含めて、個別の精油の選び方を見ていきましょう。
考え事が止まらない…クラリセージが向いている人
まず妊娠してない女性で、PMSや更年期障害などの女性ホルモンのバランスが崩れていることから起こる不調に悩んでいる方には、不眠以外の面でもクラリセージが役に立ちます。
他には精神的にパニックになりやすい人。
ホルモンバランス調整の部分とちょっと似ていると思うのですけれど、何かどうにもならないものに「振り回されがち」な人はクラリセージが合うと思います。
鎮静させるだけではなく、同じぐらい高揚感(=幸せでほぉ~っとするキブン)ももたらしてくれるので、ベッドに入ってから考え事がぐるぐるぐるぐるぐるしてしまって眠れない状況でぜひ使ってほしい。
クラリセージはシソ科に属する植物ですが、シソ科の精油(他にラベンダー、マジョラムも)は薬効が強いとも言われていますので、まず筆頭に挙げました。
吸い込まれるように眠りたい…ベンゾインが向いている人
ベンゾインは別名「安息香」、宗教儀式に使われていた樹脂なので瞑想系の眠らせ方をする精油です。
想定できるシチュエーションは、雑念を静かにふるい落として、ゆっくりと吸い込まれるように・落ちていくように眠りたいときに。
あまり知名度の高い精油ではないのですが、同じ瞑想系でもサンダルウッドのほどは人を選ばず使えるのがおすすめポイントです。
またベンゾインはバニラの香りに似ているので、甘めの香りが好きな人にも向いています。
他のエッセンシャルオイルとブレンドしたときには、オレンジなどのかんきつ系と合わせても甘く優しく包み込むような香りにして、しかも香りが長持ちするよう安定させてくれるので、自分の好みを反映させやすいのもいいところです。
とくにペパーミントと合わせるとチョコミントの香りになりますよ。
またその名の通り、呼吸器系が弱ってる人にも。咳・喉・痰のトラブルを抱えているときには、そこにも働きかけて鎮めてくれます。
最後に手足が冷えて寝つきが悪い人。体を温めてくれる作用があるので冷えている人もこれを選ぶと眠りに入りやすいのではないでしょうか。でもこの作用は次のマジョラムの方が上です。
手足が冷えて寝付けない…マージョラムが向いている人
ラベンダーなどのお花系がしっくりこない人、男性に。
雑に言うと草とスパイスの間のような香り(もっといい言い方はないものか)。
そして何より本当に眠りたい人に。
私のアロマの先生もイチオシです。
このリストに挙げた他の精油とブレンドして使えば最強だと思います。
温め系の筆頭に上がる精油なので、血の巡りが悪くて冷えている人、肩こりしている人、顔色がずず黒くなっている人のお悩み解消にも。(眠れない時って、ほんと顔色が悪くなりますよねー)
マージョラムの温め作用については、こちらの記事を。
マージョラムの心理的な作用についてはこちら。もしマージョラム精油が人だったら、「真面目で質素に他人に尽くしながら暮らす、面白みはないけれどしょっちゅう人に頼られる人」です。真面目に人助け。
既にアロマを始めてます…ベチバーが向いている人
ベチバー、あまり単体で使うことはない精油です。
イネ科の草から作られるのですが、ちょびっとベースとして入れると本物の香水っぽい香りになるし、なにより香りが長持ちします。
なので、既にいろんな精油を持っていて、ブレンドを日々楽しんでいる人向け。
私ならラベンダーに足して安眠ブレンドにしてしまうかなぁ。
「土の香り=地に足をつける」作用があるとも言われているので、なんかふわふわソワソワして自分がなくなっている人にも。
ソワソワしている自分をぐっと土(=現実)に引き戻してくれるでしょう。
ただすでに落ち込みきっている人には、自分を現実に引き付ける作用が過剰に働き過ぎることがあります。
土の中にもぐってしまってもよくないですよね。
落ち込んでいるときには、高揚感のあるクラリセージや、自分の魅力に当たる花の精油(ラベンダー、カモミール)の方を選びましょう。
アロマは試したいがハーブは苦手…カモミール・ローマンが向いている人
子供(と言っても3歳以上で芳香浴のみでお願いします)。
カモミール・ローマンは比較的安全なので、お子様がいる環境で香らせても大丈夫。
ハーブ全般の草っぽい香りが苦手な人にもカモミール・ローマンが向いていると思います。
りんごのようなかわいらしい香りが特徴なのですが、香りに甘さを求めるならブランドごとの見極めも必要です。
写真に挙げたフロリハナは、どの精油も甘く香る傾向があり、ローマン・カモミールも然り。
もっと甘く香るブランドがあったら私にも教えてください☆
ただデメリットは、価格が高いこと。
経済的に難しいのならば、ハーブティーのほうで取り入れてみてはいかがですか?
生活の木 有機ハーブ カモマイル・ローマン 100gせっかくお茶として飲めるものだから、精油じゃなくてもいいかなとも思う。
なんといっても見た目がかわいいですし!
初めてアロマを試してみたい…真正ラベンダーが向いている人
妊婦以外のみんな。
子供から体調があまり思わしくない人まで、刺激的すぎずに作用してくれるラベンダー。
アロマテラピーが初めての方にはぜひラベンダーはどうでしょうか。美肌・リラックス・リフレッシュ・抗菌…と、アロマテラピーで言われるほとんどすべての使い方をすることができます。
香りが嫌いではないのならばOK。ただし、ラベンダーにはいくつか種類があるので間違わずに「真正ラベンダー「トゥルーラベンダー」を買いましょうね。
不眠でお悩みの方へのプレゼントに使いたいときにもお薦めします。
ラベンダーの鎮静作用については過去にこんなふうに書いています。
教科書的には、ラベンダーは「強力な鎮静作用」と書かれていますが、「鎮静」とは高ぶった何かを鎮めること。
高まりすぎた何かを逃がす・解放する・流していくこと=鎮めるなのだと考えています。
ラベンダーで喚起される心のイメージ写真↓
こんなドアが心にあいて、よどみがふわーっと逃げていくの。
ラベンダーを一滴垂らしたティッシュを枕元に置いておくと、普通に眠れる人でもさらに深い睡眠が得られることが多いです。
1本あればアロマテラピーのほとんどの楽しみ方ができる精油です、ケチらずぜひいいのを買ってください。
試しにネットで精油を買ってアロマやってみようかな?という時最低限気にしたほうがいいこと
妊娠中の使い方
残念ですが、私は妊婦さんは芳香浴以外の方法ではアロマテラピーをしない方がいいと思ってます。
マッサージとか、体に精油がダイレクトに触れる方法はやめた方がいい。
カモミールティーも、ハーブティーで安全そうですが飲まない方がいいものです。
詳しいことは、こちらの本がおすすめ。産後も使えてほんとに便利!アロマ初めての人も、この1冊があればルールはほとんど網羅してます。
どうしても体に付けたいならば、精油じゃなくてフローラルウォーターにしましょう!精油を作るときに一緒に採れる、精油の成分が入った化粧水のようなものです。
これならいろいろ考えなくても、薄めたりしなくても、そのままアロマテラピーが楽しめます。
さいごに
アロマテラピーはとにもかくにも香った人のこころをリラックスさせてくれます。
嗅覚に頼ることは、目の前にあるけど目に見えない香りに気持ちを集中することで、過去の出来事やまだ起こってもいない未来から自分をいったん切り離す作業でもあります。
いまこの瞬間だけの、超現在形。
リラックスとは、そこに身を置くことでもあるのかな、と思います。
眠れないという表面的な現象は同じでも、その背後にある理由は人それぞれです。
具体的なお悩みがあってとか、
頭と体の疲れ方のバランスがちぐはぐだから、
生活リズムがバラバラだから、
食べ過ぎているからとか、
そんな理由を整理できる、リラックスした環境づくりのきっかけにぜひアロマを使ってみてください。
今夜あなたがぐっすり眠れますように。