ラベンダー精油の種類と香りの違い|草っぽいラベンダーの香りが苦手な方へ

イギリスの王立植物園キューガーデンのラベンダー畑

イギリスの王立植物園キューガーデンのラベンダー畑

目次

甘い香りのラベンダー、草っぽいラベンダー

ラベンダー精油はアロマテラピーの始めた頃にまず買うものなので、そこのイメージが悪いとやめてしまう方もいる大事な一本。

ラベンダーを試した方から「草っぽい香りがあまり好きになれなかった」という意見をわりと耳にします。

そんな時にチェックしてほしい、

それ、真正ラベンダーでしたか?

 

ラベンダーにはいろんな種類があります

おおまかに分けると、ラベンダーは3種類に分けられます。

  1. 真正ラベンダー
    (学名:Lavandula angustifolia、Lavandula officinalis)
  2. スパイクラベンダー
    (学名:Lavandula latifolia、Lavandula spica)
  3. ラバンジン
    (学名:Lavandula hybrida)

1の真正ラベンダーがいわゆる一般的なラベンダー。この中で一番甘いフローラル感が味わえます。

2のスパイクラベンダーは「男のラベンダー」と言われるような、粗削りで刺激的な香り。これが苦手な要素の土台だと思います。

3のラバンジンは、1と2の交配種です。まざってできあがったもの。
1に比べるとやっぱり甘さは控えめで、フローラル感は低いです。

この2と3のいずれかを「ラベンダー」として購入して、「…草だった…」となっている可能性があります。

購入時は学名をチェックしよう!
学名の載っている精油を買いましょう!

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ショップの名前の付け方がわかりづらいことがある

EvolvingScenes / Pixabay

EvolvingScenes / Pixabay

なんでこんなことを書いているかというと、ラバンジンも単に「ラベンダー」として売られていることがあるから。

間違いではない。確かにラベンダー。でも…ちょっと違う。
そこで学名を見ようと思えたらまだなんとか(でも勉強してなかったら見ないで買いますよね)…と思いきや、次にもトラップ。

ラバンジンの学名は”Lavandula hybrida”なのですが、

真正とスパイクの交配なので

ボトルには”真正の学名×スパイクの学名”を書いてあったりする。

ちょっと見ただけではこれが真正ラベンダーなのかラバンジンなのか、一度勉強した人じゃないと見分けがつかない。

間違いではない。でもこの二つは巨峰とマスカットのように異なる。

ちなみに私が見たとあるお店では、取扱っている「ラベンダー」はこの「真正の学名×スパイクの学名」一種類のみ。

ここでお買い物をしている限り、お客様は真正ラベンダーのフローラルさを味わうことはできません。

ラバンジンは価格が安いので、買いやすさ重視のお店でこういうことがたまにあります。
たいていは真正とラバンジンの両方を置いていますが、甘い香りが欲しい時は念のため学名もチェックしてくださいね。

 

甘さの違いは、育った場所に関係します

真正ラベンダーの本場プロヴァンス

真正ラベンダーの本場プロヴァンス

ラベンダーのフローラル感、育った場所の標高に影響されます。

真正ラベンダーとスパイクラベンダーは原種です。
プロヴァンスでは真正ラベンダーは標高の高い地域に自生します。
標高500m以下の地域で見られるラバンディンは、
真正ラベンダーとスパイクラベンダーの雑種で、
もともとは自然交配(ハチなどを媒介して受粉がおこなわれる)
によってうまれたものです。
http://www.treeoflife.co.jp/magazine/2010/01/lavender/

真正ラベンダーはだいたい標高1000m越えのエリアで栽培されており、
スパイクラベンダーは標高500m以下の海辺。

同じラベンダーの名前でも、育っている環境が全く違うことがわかります。
(標高が低い方が栽培しやすい=安い)

標高が高いと…

標高が高いところで育ったラベンダーは、酢酸リナリルの含有量が増えます。
これが甘さに通じるフローラル感のカギです。

そして前回話題にしたラベンダーの鎮静作用は、この酢酸リナリルによるところが大きいです。
リラクゼーションにラベンダーを使うときは、ぜひ真正ラベンダーを選んだほうがよりリラックス☆

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標高が低いと…

スパイクラベンダー、ラバンジンは刺激的な香りの元「カンファー」が多いです。

香りがツーンとしますが、筋肉痛や呼吸器系にはこちらが適しているから、使う人の目的にもよる。一概にどっちがいいとかじゃない!

 

参考までにローズマリー精油も、苦手かそうでないかがカンファー量に左右されていることが多い精油。

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こちらは産地で区別をつけるか、そもそも成分量が多いかどうかが品名でわかるようにもなってます。

 

苦手だった方、ぜひもう一度トライしてみて

なんでこんなに「学名を見ろ」などというハードルの高いことをしてまで

ラベンダー、草っぽくないのもあるよ!

を言いたいのかというと、嫌いになってしまうには惜しいほど使い道が幅広いからなのです。

嫌いな香りは必要のない香りとも言えて、好きな香りだけ使っていればいいと基本的には考えているのですが、

全ての年代に使えて(子供OK)

ありとあらゆる痛みと痙攣に作用して

心に溜まったドロドロしたものを流し清めて成仏させてくれる

しかも他の精油とのブレンド相性の良さ抜群

ってほんと便利すぎて。

一本しか買わないかもしれない人がいる時にこそお勧めしたいラベンダーが「…草」で終わったら本当に寂しい。

そんな気持ちで書きました。
苦手だった方、もう一度ラベル見てみませんか?

真正ラベンダーの本場プロヴァンス

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この記事を書いた人

野菜ソムリエ/アロマテラピーインストラクターの主婦。「リラックスした状態こそ一番いい自分が出せる」「いい香りに浸りながら不安にはなれない」「穏やかな心はシンプルな食生活から」の思いで、簡単・手軽に楽しく暮らせる方法を発信しています。詳しいプロフィール

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