海外ドラマの中のアロマテラピー
コールドケース<シックス・シーズン>(字幕版)
日々のアイロンがけのおともは、定額動画サービスdtvで見る海外ドラマです。
ドラマ見たさに、最近はシーツや布団カバー類のアイロン頻度もあがりました。
見るドラマはスパイ・犯罪・弁護士モノが主なのですが、ごくごくたまーーにアロマテラピーや嗅覚に関する話題が出てきます。
匂いって映像に写らないからなかなか話題にならないがゆえ、逆になった時にはついメモってしまいます。
今回は珍しくアロマテラピーががっつりメイン!
以下、ネタバレをたっぷりと含みますのでご了承のうえお進みください。
今回のドラマのこと
今回見たドラマは『コールドケース 迷宮事件簿』。
既に迷宮入りとなった事件を新証拠が出たことで再捜査をするチームの話。
再捜査だから扱う事件が現代に限らず、古くは1930年代のものも含まれるため「昔のアメリカ」がたっくさん出てくる。
派手さはないけれどアメリカ文化の今昔が生活者目線から理解できるから、とても好きなドラマです。
しかもその昔のエピソードの再現がものすごく丁寧!衣装や小物がやっぱり海外ドラマらしく丁寧で、その時代の音楽をたくさん使っていて、でも昔の映画そのものではないからとっても見やすい。
ほんの数十年前まで黒人差別・男女差別が激しかったアメリカ…って過去形でつい書いてしまいそうになりますが、それが現在形で続いていることなんだなと、このドラマを見ているとわかります。
ウィンターグリーン(冬緑油)で殺人事件?!
今回登場するのはウィンターグリーン。
オーガニック エッセンシャルオイル ウインターグリーン 15g(12.7ml)
サリチル酸メチル(アスピリンとほぼほぼ同じ)が95%で、消炎・鎮痛・抗炎症が得意なため「アスリート用に」「運動用に」と使われることがおおい精油です。
簡単に言うと、湿布薬の匂いのあの成分。
日本人で好きな人をあまり見かけないルートビアもこの匂いですが、アメリカでは歯磨き粉とかミントタブレットでよくこのウィンターグリーン味を見かけていたから、アメリカ人は生活にすっかり入っている香りです。
日本のハッカ油みたいなもんでしょうか。
使い方を間違えると、ほんとに精油で死んでしまう
なにせ刺激が強いので、日本のアロマテラピー本を見ているととにかくこの精油は注意書きが多い!
・芳香浴には向きません
・刺激が強いので必ず低濃度から
・発疹・赤み・おう吐などの副作用があります
などなど、扱いが結構難しい。
薬品のアスピリンとほぼ同じなんだから当たり前なんだけれど、精油だと雑貨として売られているのが怖いところです。
子供は小さじ1杯飲んだら死んでしまう。
サリチル酸塩の中では、ウインターグリーンオイル(冬緑油、ヒメコウジの精油)の主成分であるサリチル酸メチルが最も強い毒性を持っています。サリチル酸メチルは、塗布剤や蒸気吸入器に使う溶液などの製品に含まれます。幼児は小さじ1杯未満のサリチル酸メチルの精油を飲みこむだけで死に至ります。
(メルクマニュアル医学百科 家庭版 アスピリン中毒 より)
ドラマでは副作用の一つ「サリチル酸メチルで喘息発作を起こす人がいる」部分を利用して、ウィンターグリーン入りのお茶が凶器として使われていました。
被害者はウィンターグリーン入りのお茶を飲んで喘息発作を起こして地下鉄の階段下で倒れていたのですが、サリチル酸メチルの血液凝固作用であざが大きく出ていたため、強盗事件による打撲痕と見間違えられて迷宮入りです。
その凶器のお茶もね…先生がアスピリン中毒で自殺しようとして用意してたお茶で…みたいな、ほんとにうまいこと組み込んであるんです。
瞑想のためにおでこにつけてるシーンもあるし。
ウィンターグリーンの香りって、日本人にとっては完全に「サロンパスの匂い」なので飲用するには抵抗があるからこの死因は成立しなかったと思うけど、アメリカ人にとっては普段飲んだり食べたりしている、親しみのある香りなのですよね
毎回思うのですが、シナリオライターのかたはどんなことをきっかけにこの筋書きを考えたのだろう??
一見安全に見える精油の二つの副作用側面を、こんなにうまく絡ませる死因ってすごいな…。
他に私が驚いたのは、犯人がお茶にウィンターグリーンを入れるシーンで握っていたボトルが結構大きかったことです!30mlサイズ以上なのは間違いない。
エッセンシャルオイルは植物エキスとは違います
ウィンターグリーン精油が凶器に使われるこのドラマは、「精油は取扱次第では人を危険にさらします」のいい例です。
エッセンシャルオイルは野菜エキスやサプリじゃないから、いっぱい使えばばいいっていうものでもない。
そもそも飲むのは反対だし、あくまでほどよい量を使うことが大事です。
その時はエッセンシャルオイルのクオリティもチェックしてね。