生産者の小山さんから教わった、布引高原大根の買い方

布引高原の大根農家 小山さんと

布引高原の大根農家 小山さんと

9月3日のテレビユー福島 げっきんチェック「畑にキテます」に出演しました。
福島県内の農家さんの畑を訪問して、作物の作り方や見分け方などを伺ってから、私が簡単な料理を畑でする番組です。

生中継のため、現地に到着してからの待ち時間がけっこうあるので、その間に農家の方にお話をいろいろ伺うことができるのが、私はとても楽しいです。
単に話を聞くだけでなく、作物を目の前にしながらなので本当にタメになります。

今回は布引高原大根の買い方について教わりました。

目次

布引高原大根の特徴

布引高原大根とは、郡山市の布引高原エリアで育てられている大根を指します。

標高1080mの高原で、見渡す限り風車と畑だけ。眼下には猪苗代湖、遠くには磐梯山。
季節に合わせてひまわりやコスモスが広範囲に植えられていて、それを目当ての観光客もたくさん訪れる美しい場所です。

寒暖差が生む甘味

高原の特徴は、寒暖差が大きいこと。
昼の温度と夜の寒さの差が大きいほど、作物は実に糖分=甘味をため込みます。

昼間に光合成をしてたくさん作った糖分を、夜の気温が高いと使ってしまうのですが、夜が冷え込む場所ではそれを使わずに済むからです。

これは大根に限らず、お米・葉物野菜・トウモロコシなどなんでもそうです。

逆に夜も暖かいエリアで育ったものは、甘味はないけれどさっぱりスッキリした味になります。

みずみずしさが違いました

布引高原大根は、みずみずしさにおいても定評があります。

番組内で生産者の小山さんが、抜いたばかりの大根を包丁でシャシャっと削ってくれたシーンがあったのですが、削るそばから水しぶきが飛んでいました

あれ放送で映ったかなあ、いくら採りたてとはいえ、飛ぶほど水分が出ている大根はなかなかお目にかかれません。

その後作った大根おろしドリンクも、水分たっぷりでした。

どこで買えるの?

郡山市のJA直営の直売所「愛情館」なら間違いなく購入できます。

JA農産物直売所 愛情館

郡山市朝日にある直売所です。

blog.goo.ne.jp

最近リニューアルされて、すっごくきれいになりました!
ここで販売されている農産物には、シールに名前が書いてあるので、そこで小山さんのお名前のある大根をぜひご購入ください。

布引高原はニンジンもおいしい!

布引高原はニンジンもおいしい!

小山さんはほかにも高原野菜の定番キャベツ、ニンジンなども販売しているそうです。
こちらもおいしかったです!

おすすめ品種の出回りは今週末ごろから

一番のおすすめ品種の出回りは9月10日ごろから

もう出荷が始まっている布引大根ですが、小山さんイチオシ品種「夏の翼」の出回りは9月10日ごろから今月いっぱいぐらいを予定しているそうです。

ただ直売所販売されるときには、小山さんの名前は記載されていても、品種名までは書いていない…これが残念。
ですが、この時期のものは夏の翼だそうですので、ぜひ一度お試しください。
私も買ってみます!

「夏の翼」は品種情報の載っているサイトによると

緻密で硬めの肉質を持ち、サラダや刺身のツマに最適。また、生食や煮物のほか、漬物などの加工品に至るまで、幅広い用途での利用が可能(みんなの農業広場より)

ぎゅっと締まった身とのことなので、生食だときっとシャキシャキした歯ごたえが期待できそうです。
硬めの肉質ということは、煮物の場合は長時間煮ても煮崩れしにくいということだと思います。

同じブランド・特産品でも品種は異なる

小山さんの畑では、上記の「夏の翼」以外にも「美春」という品種の大根を育てており、どちらも「布引高原大根」というブランド、或いは特産品のくくりで出荷されています。

出身はいろいろでも、布引高原で育った子たちが布引高原大根。

収穫時期をずらす→種を撒く時期が違う→その時期に合った品種を選ぶ
という流れを取るので、いろんな品種を育てる必要性が出てきます。

野菜だと品種をはっきり打ち出しているものとそうでないものがありますが、桃やリンゴなどの果物は、この品種の違いをはっきり表示させて販売している例です。

品種とブランドの違い

品種とブランドの違いをざっくり言うと、

品種=育てる時期や味・色・形など、植物として基本的な違い

ブランド=生産者・産地・栽培方法・選別方法などによる品質を保証するもの

例えば野菜をブランド化するときには、

生産者が、その場所や天気にあった「品種」を選んで、ブランド化する

と理解していただくとごっちゃにならないと思います。

品種そのもののおいしさ × 育てる人・場所・知恵によるおいしさ

の2つが重なり合って初めて特産品・ブランド野菜と呼ばれます。

白河のブランドトマト「旬太郎トマト」の時にも書いたのですが、モノによっては最終の選別工程で基準を満たしていないとブランドを名乗れない、ということもあります。(旬太郎トマトの場合は糖度9.5以上)

最近はこのブランド化が盛んです。
単に「だいこん」として買うのではなく、氏と育ちを重視したほうがおいしいものにたどり着きやすいし、何よりその地方のオリジナリティが楽しめるからかと思います。

産直売り場での正しい大根の取り扱い方

カウボーイみたいなこれは

カウボーイみたいな長靴のバンドは、雨合羽の裾を止めるためのもの

小山さんと産直話をしていて、生産者ならではのお話を伺うことができました。
以下、小山さんからのお願いです。

転がしてはいけません

直売所の売り場にある大根、「触るのはOKですがごろごろ転がさないでほしい」とのことでした。

日常的にスーパーで見かける大根は、出荷からある程度時間が経っているものが多いです。
これらは水分がちょっと抜けて、表面が少しやわらかくなっています。
このやわらかさがクッションの役割を果たすため、多少ぶつかったり転がったりしても、本体が割れることはありません。

一方、直売所に降ろしたばかりの、収穫したての大根はというと、

水分が抜けていないためハリがあり、ちょっとしたショックで割れたり傷ついたりしやすい

のです。
傷がついてしまうとそこから一気に水分が抜けてしまい、折れたり大きく割れたりしやすくなり、商品にならなくなってしまいます。

直売所に出ている野菜は新鮮さがウリ。
若くてぴちぴちですので、ちょっとやさしく接してあげる必要がありそうです。

さいごに

野菜ソムリエになるときの講座で学んだことですが、野菜に大事なのは


育ち
頃(ころ)
たて

の4つ。
氏と育ちのことは品種とブランドのところで少し触れましたが、「食べごろ」「採りたて」を逃さないこともおいしく食べる秘訣です。

氏と育ちがわからなくても、頃とたてが守られていればおいしく食べられます。

目の前にある野菜を見て、自分にわかることを大事にしながら野菜と付き合いたいと思いました。

風車と中継車と案山子

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この記事を書いた人

野菜ソムリエ/アロマテラピーインストラクターの主婦。「リラックスした状態こそ一番いい自分が出せる」「いい香りに浸りながら不安にはなれない」「穏やかな心はシンプルな食生活から」の思いで、簡単・手軽に楽しく暮らせる方法を発信しています。詳しいプロフィール

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