先日、とある全国展開している大手激安スーパーに行きました。
焼きそばの麺が1つ20円程度で売っている、商品によっては私が子どものころよりも物価が安い店です。
先週のげっきんチェック「農家にキテます」のコーナーで、ニラ農家の斎藤さんから新鮮なニラを見分ける方法を教わったばかりでしたので、ニラを見てみようとまっすぐ野菜売り場へ向かいました。
そこで切り口を確認しましたところ、斎藤さんが言っていた通り、ほんとに伸びている。
だいたい2ミリ~5ミリぐらい、まさに収穫後一週間ぐらいのニラはこれでしょう。
今後最大に伸びている状態のものを見つけるまでしばらくウォッチすべく、記録用写真を撮っておきたくて購入しましたが、古いニラが売られていることなんかよりも驚いたのは
ニラが半分に折って陳列されていたこと。
ひな壇に袋入りのニラが、折り目を上にしてずらりと並んでいました。
今までそんな風にニラを売っているところなんて見たことなかったのですが、これって他でもやっているのでしょうか。
「スシローには醤油の小皿がない」と聞いたとき以来の衝撃と不条理さに襲われました。
あなた別に、ニラ(寿司)のこともお客様のこともほんとは興味ないでしょう?おいしく食べてもらいたいとか思ってないでしょう?
家でニラを半分に折って保存してる方いますか?
私は半分に折って保存するよりはなんとか全部食べるほうです。
私の常識は世間の非常識で、ニラって半分に折って販売されていても美味しそうに見えることになっているのでしょうか??これってこの店舗だけ?それとも全店でもうこれで行きましょうってなっているの??
もう疑問がぐるぐるとわいて止まらないので、邪推してみます。
なんで折って販売していたかの邪推
いろいろ考えましたが、ニラを半分に折って保存することで客が得をする要素はありません。
野菜は畑にある状態で保存するのが一番鮮度を保てるからです。
縦のものは縦に、横のものは横にが基本で、葉物野菜も根菜も本当は立てて保存できたら一番いい。
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(2リットルのペットボトルを切って短くなったネギとか大根入れると片付くよ)
そんなこと青果売場の人はわかっていてやっているその理由は
- 先端が枯れているものが3本ぐらい混じっていたから隠した
- 売れる陳列方法を優先した
この2つかなと思います。
日本政策金融公庫「魅力ある売り場作り 2.売れる陳列とは」2012年6月(pdfです)には、売れる陳列の基礎として縦陳列と横陳列の話が書いてあります。
ざっくり要約すると狭い場所を有効に使うなら縦、長く見てもらうなら横陳列。
床から75cm-100cmがゴールデンゾーンだからそこをキッチリ活用しましょう、という内容です。
そこの範囲にニラをぎっしりたくさん置くために、半分に折ることを選んだのでしょう。
折らずに並べたとしてもゴールデンゾーンは埋まりますが、そうすると補充の頻度が上がるため人員経費がかかるのでしょう。
しかも商品の先端が一部枯れているものも混じっているからそれも隠せます。
安く売るために頭を使っている感じがしますが、野菜の特性はもちろん、そのあとどう使われるかなどは考えていないのだろうな、と想像できます。
とりあえずギリギリ商品だとは思っていても、食品だとは思っていないと思う。
安ければいいと思われている
野菜には、売り場までの時間と、家で調理するまでの時間と、それを食べて体になっていくまでの時間があります。
このお店が考えているのは売り場までの時間です。
安さってそういう姿勢のことだと思います。
「結局安ければこれぐらいやっても大丈夫」と思っている場所でババを引かないためには、そこに行かないことが一番。このお店がニラだけこういうコンセプトのわけはなく、他のものもきっとそうだから。
他の食品に比べてごまかしの効きにくい野菜の状態を見るのが、そのお店の姿勢を知る手段になるのだと改めて学びました。
斎藤さんに感謝して、次回お会いする時にはこの半折り陳列についてどう思うのかご意見を伺いたいと思います。