福島県矢吹町の関根さんのトマトハウスに伺いました
1月7日のテレビユー福島 げっきんチェック「畑にキテます」に出演しました。
福島県内の農家さんの畑を訪問して、作物の作り方や見分け方などを伺ってから、私が簡単な料理を畑でする番組です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年一回目は大きなハウスから中継でした。
収穫用コンテナと比較して、いかに奥行きがあるかが伝わりますでしょうか。
関根さんについては、こんな映像もありますよ。
株式会社トロピカルトマト | ~東北から始まるニッポンの未来のカタチ~ 東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト
agri-tresen.jp
糖度9.5度以上を選別したトロピカルトマト
じつは今回のトマト、あまりにもおいしかったので以前記事にしていました。
サラダにして後悔しているという内容です。もうね、そのままかぶりつくのが一番おいしいよ。
名前が違う?「旬太郎トマト」って??となっていますが、
同じ生産者さんがつくった、同じトマトですがブランド名が異なります。
旬太郎トマト=関根さんを含む5軒程度の農家さんで生産組合を作って、JA経由で出荷しているもの
トロピカルトマト=関根さんがつくったもの。直接販売している
もし「関根さんが栽培したものだけ」を購入したい場合は、トロピカルトマトを指名買いです。
旬太郎トマトもトロピカルトマトも、選別基準は「糖度9.5度以上」。
(普通のトマトは4~5)
同じような栽培方法で育てられ、同じように厳しい基準をクリアしています。
糖度計で測らせてもらいました。等級を音声で案内してくれるから見なくても操作可能。
場所によって微妙に数値が違うのですが、高いところだと10.5以上が出ていました!
いろいろ測りたくなる。
理想のトマトを見せてもらいました
理想的なトマトの三段階の色づき方がこちら!
夏場のトマトは先端から赤く色づいていくのだそうですが、
冬になる高糖度のいいトマトは、写真のように全体が緑→ほんのりオレンジ→赤へと変わっていくのだそう。
黄色みがかったような、オレンジのような…と言葉をいろいろ変えながらも、とにかく
ピンク味ではない黄味
が
全体に広がること↓
を強調されていました。大事なのはむしろ赤よりオレンジっぽさの段階。
これはリンゴについて古山果樹園さんから教わった時と似ている話です。
古山さんがつくるりんご・サンふじも、糖度が高い実は緑→赤へと熟していくのではなく、黄色みを保ったまま熟していきました。
上のリンク先の「おいしいリンゴの見分け方」のところをご覧ください。
これ、なんか糖の高さと赤い実の関連性があるの???教えて植物のプロの人!
ベースグリーン、ってご存知でしたか?
赤くなる前のトマトの実に出ている、濃い緑いろの部分。
全体がちょっと色づいていても、まだ濃く残っているのがわかりますか?
この緑色の部分を、ベースグリーンというのだそう。高糖度トマト&高うまみ成分の証。
わかりやすく一か所だけ出ている実の写真を撮ってみました。
葉だけでなくこの緑の部分でも光合成をしようとして出てくるもの。
赤く熟すと消えてしまいます。
トマトは夏場、家庭菜園で作る方も多いと思います。
その時に、このベースグリーンと、オレンジっぽさが出てるかな?というのを、甘さの観察ポイントにしてみると◎。
関根さんはトマトを徹底的に管理していました
語り口がソフトで明るい関根さん。トマトの育て方についてたくさん教えてくださいました。
野菜が育つためには光・水・栄養・気温の組み合わせとバランスが命なのですが、何が足りなくて何が多すぎたのかが、関根さんにはきちんとわかる。
例えばこの葉。
トマトの木の中ほどにあった葉なのですが、
水はたくさんもらったけれども、それに見合うような日光をもらえなかった時期に出る葉
と教えてもらいました。
「薄くてびろーんと広がってるでしょ、陽の光をもっともらいたくて大きくなっちゃった感じ」とのこと。
日光量や水分、気温などがうまくいけば…このような葉に
実にばかり気を取られていましたが、葉もこんなに様子が違ってます。
今年の冬は晴れが続いて暖かいのですが、晴れていると同時に雲が出るため、日照量という意味ではいまいちなんですって。
冬の、キンキンに寒いけれど雲ひとつない青空は確かにしばらくお目にかかっていないです。
そのほかにも、伺うお話はトマトの光・水・気温のバランスに関するお話が非常に多かったです。
「なにかをこうすればいい」というわかりやすいコツではなくて、
トマトの状態に合わせて、そこから成長&リカバーできるような調整を、理想的な環境にするために全方位に施していくの知恵の話。
農家の方は、備わっている色・温度などの体内センサーが本当に敏感で、毎度驚いてしまいます。
トマトの木1本1本が整然と並んでいるハウス内部。
トマトオタク(最敬礼してます、いい意味です)の話すトマトの話を聞いていると、自分の目だけでは見ることができなかった世界が見えました。
関根さんとこの6次化トマトジュース
番組内で飲ませて頂いた、関根さんがただいま開発中のトマトジュース。
そのままかぶりつくのが一番おいしい、サラダにするのすらもったいないトロピカルトマトを、惜しげもなく5個も使っています。
だいたい180ml、ジャムの瓶程度です。
気になる味は…大根おろしよりどろっと濃いのに、ジャムとかトマトペーストではなく、きちんとジュースだと思える不思議。トマトジュースだと思えるんですよ。でも…あとから思い出すと未経験の味です。
すっごくおいしくて、けっこうあっさり飲んでしまいました。
トマトの甘味に、グレープフルーツのようなビターなかんきつ系のさわやかさが加わっています。
ベタ甘くもなく、しつこさもなく、口の中にまったく味が残らない。
(この飲んだそばから味が消えていく、はおいしいものの特徴だと友人から教わりました)
「塩すら邪魔だった」との開発中エピソードを伺いましたが納得です。材料にこだわるとこんなに違うのだな~と思えました。
開発中のため試験販売がこれから控えているとか。
(皮あり、皮なしなどいろいろ試していくのだそうです)
発売が楽しみです!
泉崎村「こころん」さんで買えます…たぶん
今年は暖冬のせいでなかなか出荷が進んでいるとかいないとか…
ですが、もしラッキーならば泉崎村にある直売カフェこころやで買えます。
予約しないとすぐなくなるよとのアドバイスをお店から頂いたため、事前にお取り置きして確保するのがおすすめです。
特に箱買いの場合は予約必須ですよ!
【おいしいトマトの記事はこちらもどうぞ】