春は野菜の柔らかさを楽しむ季節
4月は春になった嬉しさが野菜の名前にも現れています。
春キャベツ、新玉ねぎ、新じゃが…
どれも水分が多くてやわらかいことが特徴なので、より実態に近い呼び方をするなら「ソフトキャベツ」「甘玉ねぎ」「薄皮ジャガイモ」なんて呼んでもよさそうなものですけれど、そんなふうに無味乾燥な呼び方をしないのが日本人のいいところ。
みずみずしく柔らかいだけではない「春」や「新」の持ついいイメージも野菜に乗せてくれているから、よりおいしそうに感じます。
メニューにも「新玉ねぎ」って書いてあったら、なんだか食べたくなりますものね。
今日作ったのは、新玉ねぎだからこそおいしく食べられるベーコンとレモンの香りたっぷりの炒め物です。
新玉ねぎとベーコンのレモン炒めの作り方
柔らかい玉ねぎは大きなポーションで食べたら、新玉ねぎらしい。
玉ねぎ 1個
ベーコン 使う玉ねぎの4分の1サイズ
レモン 2片
ニンニク1片
1. 玉ねぎを4つ切りにしてレンジでチンする 1個当たり2分
2. ベーコンはサイコロ状に切り、ニンニクは包丁でつぶす。
3.ベーコン、ニンニクを炒める。レモンは表面に焦げ目をつけるように。終わったら皿にに取り出す
4. 同じフライパンで玉ねぎに焦げ目がつくまで焼く。強火でOK
5. さらに玉ねぎ・レモンを盛り付け、ベーコンをふりかけて完成
新玉ねぎのやわらかさを楽しもう
レンジでチンした新玉ねぎは、お醤油と鰹節ふってもうそれだけで食べられるおいしい温野菜。
そこに、ベーコン・ニンニク・レモンの香りを移した香ばしいオイルを絡めて食べよう…というのが今回のメニューの始まりです。
だからフライパンは1つを使いまわし。
ベーコンも油が出やすいように小さくカット。
ニンニク、レモンと一緒にフライパンに入れることで、香りのいいオイルができます。
塩気はベーコンにお任せで特に加えません。
玉ねぎ自体がダシの強い野菜であること、香りが十分載っていることから、塩分量は控えめでも口に入れると十分満足感が出ます。
塩を振るなら、ぜひ一口食べてみてからにしてください。
もしたくさん作って残ったら、ぜひスープにリメイクして食べてくださいね。
新玉ねぎと普通の玉ねぎの違い
野菜は氏(品種)と育ちと言いますが、この玉ねぎの違いもまさにそう。
新玉ねぎは
- 柔らかく
- 水分が多く
- 辛みが少なく、
- 加熱すると溶けやすい
と言われています。
これらの条件を私の頭の中で翻訳すると「調理の時間が短くていい、手をかけないで食べていい手間なし素材」です。
スライス、みじん切り、温野菜。
おいしい調味料揃えるだけで大満足の食卓。
二つの大きな違いは
品種の違いと育った場所(気候)の違い
から生まれます。
まず品種で言うと新玉ねぎは白系と呼ばれるもの、
いわゆる普通の玉ねぎは黄色系と呼ばれるもの。
そして育つ環境も異なり
白系新玉ねぎ:千葉、静岡で越冬する
黄系玉ねぎ:北海道で夏を越す
玉ねぎが育つ時期が夏なのか冬なのかによって、味が大きく変わってきます。
環境が人を作るように、野菜の味も環境が作る。
冬育ち・夏育ちで異なる野菜の味
これは玉ねぎに限ったことではなくて他の野菜についてもいえることなのですが、
夏育ちなのか・冬育ちなのかによって味にある共通の特色が出ます。
冬に成長する野菜の特徴
冬育ちの特徴は、なんといっても甘いこと。
気温が低いと寒さに負けないようにするために、野菜は体の中に糖分をため込もうとします。
それが甘味の元。
成長速度も遅くなりますので、じわじわゆっくり他の栄養分も豊かになると言われています。
(ホウレンソウ農家の佐藤さんの回を参照。一年中出回っているけれど、ホウレンソウも冬がおいしいのです。)
お米も新潟や東北など、寒い地方のお米の方がおいしいと言われるのはこの糖分が理由です。
東北人の性格のまるさも寒さのおかげだと言われていますが、寒さってホントに生き物に影響するのね。
夏に成長する野菜の特徴
夏育ちの特徴は辛みがあること、味がサッパリしていること。
辛みの理由は、虫や病原菌と闘うためです。
玉ねぎの辛み成分である「硫化アリル」はまさにこれで、夏に育って秋に出荷される北海道産玉ねぎが辛いのはこのため。
他の野菜だと大根も、夏に育ったものは辛みが多いと言われています。
アロマテラピーで使われる精油もそうなのですが、植物特有の成分や香りって、虫や病気と闘うために植物が自分で作り出しているものがとても多いです。
自分で歩いて逃げることができない植物ならではの知恵として、体内で作り出したものを私たちは頂いています。
2016年4月テレビユー福島「げっきんチェック」の金曜日コーナー「野菜ビストロ|ナオトキッチン」紹介メニューです。