痩せる精油といえばグレープフルーツ
精油には心への作用と体への作用の2つがありますが、中でも体への作用がとってもくっきりはっきり有名なのがグレープフルーツ精油です。
ダイエットとアロマテラピーの話になると、必ずグレープフルーツ精油が話題に上がります。
- 脂肪を燃焼させる
- 食欲を抑える
- セルライトを解消する作用がある
- 老廃物を排出する(デトックス)
だいたいこれらがグレープフルーツ精油のダイエットにいいとされるポイントです。
今日は「脂肪が燃焼する」ことに関する研究について書こうと思います。
グレープフルーツ精油で脂肪が燃える?
これは、グレープフルーツ精油の特徴成分である「ヌートカトン」が持つ作用です。
交感神経を活性化→脂肪燃焼
グレープフルーツ精油で脂肪が燃える、と言われるのはこの成分のため。
グレープフルーツ精油と交感神経に関わる研究
グレープフルーツの香りを嗅ぐと脂肪が燃焼されることについて、研究結果として様々な発表しているのは大阪大学名誉教授の永井克也さんです。
現在は、自律神経に関する受託試験などを行う会社の代表取締役でもあります。
グレープフルーツ精油の 香りによる匂い刺激は食欲を抑制し、血糖・血圧や体温を上昇させ、脂肪を分解する作用を持ち、反対に、ラベンダー精油の香りによる匂い刺激は食欲を促進し、血糖・血圧や体温を低下させ、脂肪分解を抑制する効果を持つ事を科学的に明らかにしました。(科学的植物療法学 (phytotherapie scientifique) 講座)
上に書いてあることがA43枚にまとまっている大阪大学での実験はこちら。
匂い刺激のエネルギー代謝に対する影響とその機構―グレープフルーツとラベンダーの芳香の効果
グレープフルーツが交感神経を活性化→燃やす・分解する・高めるの攻撃系
ラベンダーは副交感神経を活性化→下げる・抑制する守備系
の作用をすることを明らかにしています。
ちなみにその実験内ではプラナロムの精油が使われていました。
グレープフルーツの香りが作用するのは夕方5時以降?
また2010年には、匂いの刺激効果には体内時計が関係していて「グレープフルーツ精油の刺激で起こる体表面温度の上昇は、午前中は認められず、午後5時以降に実験すると認められた」とも発表しています。
『食欲を調節する香りーその生理的メカニズム』
(2010年 雑誌『香料』平成22 年6月 246巻:31頁~ 掲載)
発表したのは学会誌ではなく業界専門誌なので、論文とはまた違うものですが、興味深かったので参考まで。
太ることと交感神経とは関係が深い
永井さんの研究で、グレープフルーツ精油の脂肪燃焼作用とは
交感神経の活性化
が大事であることがわかりますが、交感神経と肥満とが深く関係していることはほかの大学教授の方も指摘しています。
交感神経活性の上昇は副交感中枢 (摂食中枢)を抑制して摂食を抑えるとともに、 白色脂肪細胞組織からの脂肪動員と褐色脂肪細胞組織からの熱放散を促進し、これらの総合効果によって脂肪蓄積を防ぐと考えられている。
簡単に言い換えると、
交感神経が活性化すると…
1.→副交感神経が抑えられる→食欲が低下
2.→脂肪細胞が燃焼する
が同時に起こることで、
インが減り、アウトが増えて、結果として痩せる
ということのようです。
痩せるためのカギは、グレープフルーツというよりも「交感神経」。
それをうまくコントロールするためにグレープフルーツ精油は使えるよ、というのが「グレープフルーツで痩せる!」という考え方の仕組みです。
痩せにくい人、肥満の人は交感神経が活性しにくいとも言われています。
そのための刺激にグレープフルーツ精油を上手に使っていくのがいいのではないでしょうか?