- なすを焼くと、一部はベチャッと油っぽく、一部はカラカラの素焼きみたい
- かといって油を足すと、今度は全体がギトギト……
- なすって、油をどれだけ入れても足りない気がする
たけだじつは、少ない油でも、ムラなく・ベチャッとさせずに焼くコツがあります。
使うのは、ビニール袋(ポリ袋)ひとつ。なすと油を入れて、揉んでから焼くだけです。
揚げ焼きのように油をたっぷり使わなくても、全体に均一に油が回って、こんがりおいしく焼けますよ。
こんな焼き方です。
- 油はLサイズのなす2本で大さじ1。揚げ焼きよりずっと少なくてOK
- ビニール袋で揉むから、少ない油でも全体に均一に回る
- 一部だけベチャッ、一部だけカラカラ……のムラがなくなる
- フライパンに直接あけて、ほったらかしでOK。かき混ぜ不要
なぜ、少ない油でムラなく焼けるの?



なすって、油をどれだけ入れても足りない気がして……。気づいたらフライパンがカラカラなんです。



わかります。なすはスポンジのように空気の多い構造なので、油を吸いやすいんです。だからこそ、フライパンに油をひいてから焼くと、先に触れたなすだけが油を吸い込んで、あとはカラカラ……になりがち。
先にビニール袋で油を均一に絡めておくと、少ない油でも全体に行き渡りますよ。
じつはこの「なすはスポンジみたい」という感覚、研究でも裏づけがあります。
農研機構(野菜茶業研究所)が8品種のなすを比べた研究によると、スーパーでよく売っている一般的ななすは果実の密度が低く、生の組織のなかに空気の層が多い、いわゆる「ふわふわ」した構造だと報告されています(堀江・安藤、2014)。
スポンジに水がしみ込むように、空気層の多いナスは油を吸い込みやすい。だから「先に均一に絡めてしまう」この方法が理にかなっています。
※なお、この「ふわふわ構造」と油のしみ込みやすさの関係そのものは、研究者も「今後さらに調べる必要がある」としています。ここは私の推測もまじえた説明として読んでくださいね。
もう少し詳しく(品種と構造の話)
同じ研究では、「庄屋大長」「千両二号」「筑陽」といった一般的な品種は果肉がやわらかく、果実の密度が低いと報告されています。
そしてこれらの品種は糖やアミノ酸の含量がとくに高いわけではないため、「焼いて成分を濃縮する」調理が向いているとされています。
今回の焼きなすは、まさにその調理法。さらに、なすのうま味成分グアニル酸は80℃前後の加熱でもっとも増えることも報告されています。
焼くことは、なすをおいしくする理にかなった方法なんです。
大さじ1で均一に仕上がる!ソムリエ流ズボラ術「ビニール袋揉み」のやり方


| 材料 | 分量 |
| ナス(Lサイズ) | 2本 |
| 油(オリーブオイルなど) | 大さじ1 |
| ビニール袋(ポリ袋) | 1枚 |
| お好みの薬味(大葉・みょうが・生姜・ねぎなど) | たっぷり |




なすを食べやすい大きさ(乱切りや厚めの輪切り)に切って、ビニール袋に入れます。そこへ油を大さじ1。この段階では、油が全体に回っていなくて大丈夫です。


袋の口を持って、全体に油が回るまでよく揉みます。なすは意外と、ぐいぐい揉んでも果肉が崩れません。スポンジみたいに弾力があるからでしょうか。
油をひいていない空のフライパンに、袋の中身を直接あけます。かき混ぜる必要はありません。片面が焼けるまで、ほったらかしでOK。その間に、別のおかずに取りかかりましょう。
片面が焼けたら、一度だけひっくり返します。両面こんがり焼けたら完成。
大葉・みょうが・生姜などの薬味を、なすが隠れるくらいたっぷり乗せて、焼きなすサラダにどうぞ。魚焼きグリルで焼くのもおすすめです。



事前に油が均一に回っているから、最初からかき混ぜる必要なし。片面が焼けるまでほったらかして、違うお料理に取りかかれます。(グリル焼きもおすすめです)
ヒントは豪快な浅漬け作りの手の動きから!
この方法は、テレビの取材がきっかけで生まれました。
テレビユー福島「畑にキテます」(げっきんチェック)で、ナスがテーマの回に出演したときのこと。
ご紹介するための料理を考えている段階で「ナス料理はみんないろいろ知っているしなあ」と迷って、いろんな方にナス料理を聞いてまわっていました。
すると、麺つゆとなすをビニール袋に入れて揉むだけの簡単な浅漬けを食べている人が、とても多いことが判明。
そのうちのお一人が、手真似たっぷりで教えてくださったのですが、その手の動きがあまりにも豪快で素敵で。
「あんなに揉んでいいなら、油だってOKに違いない」——そう思って始めたのが、この袋で揉む焼きなすでした。生活のなかの知恵から生まれた一皿です。
【スーパーの買い物で使える】名人に教わった「おいしいなす」の見分け方


同じ番組のなすの回で、二本松市の茄子名人・菅野さんの畑にもおじゃましました。地元では、ほかの農家さんが見学に訪れるほど有名な方です。
菅野さんに教わった「おいしいなすの見分け方」は、スーパーでの買い物でそのまま使えます!
- ヘタを見る:かつらのように立派で形のいいヘタは、よく育った証拠。ヘタが乱れているものは、若いときに何かあった(B級品の)サイン
- これからの季節は皮がやわらかい:暑い時期はなすの成長が早く、皮が薄くやわらかく仕上がります
- 皮ごと食べたい:なすの皮の色素は「ナスニン」というポリフェノール(体のさび落とし=抗酸化の仲間)。皮はむかずに使いましょう
菅野さんの畑での話(樹の勢いの見方、なすがインド原産で暑い夜が大好きなことなど)は、こちらの記事に詳しくまとめています。買い物のときの目利きにどうぞ。


【FAQ】よくある質問


- 油なし(完全にゼロ)でも焼けますか?
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テフロン加工なら油なしでも焼けます。でも、皮を柔らかく仕上げ、なすのコクを引き出すには、袋揉みで小さじ1〜大さじ1だけでも油を馴染ませてあげるのがベスト。油の量を事前に自分で100%コントロールできるのも、この「袋揉み」の強みです。
- どんなナスが向いていますか?
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スーパーでよく売っている一般的ななす(中長なす)で大丈夫です。こうしたなすは果肉がやわらかく、焼いて成分を濃縮する調理と相性がよいことが研究でも報告されています。皮がやわらかいものを選ぶと、皮ごとおいしく食べられます。真夏の暑い季節の茄子の方が皮が柔らかいので、夏はナスを楽しみましょう!
- ビニール袋で揉むと、ナスは崩れませんか?
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意外と崩れません。ナスはスポンジのように弾力があるので、ぐいぐい揉んでも果肉が保たれます。同じ要領で、麺つゆを入れて揉めば簡単な浅漬けにもなりますよ。
まとめ:少ない油で、なすをムラなくおいしく
なすは油を吸いやすい野菜。だからこそ、フライパンに油をひくのではなく、先にビニール袋で少ない油を均一に絡めてから焼くのがコツです。
これだけで、一部だけベチャッ・一部だけカラカラ、のムラがなくなります。油はなす2本に大さじ1で十分。あとはほったらかしで焼けるので、忙しい日の一品にもぴったりです。
薬味をたっぷり乗せた焼きなすサラダは、暑い日の食卓にもよく合います。無理のない範囲で、今夜の一品にどうぞ。
揚げ物をしたくない日には、こちらの油少なめレシピもどうぞ。
揚げ物したくない人に|炒めたパン粉でナスのフライ風
旬の野菜から作れるレシピを探したいときは、こちらもどうぞ。


















