化学肥料と有機肥料の効きの違い:ゆっくり育つことがおいしくなる条件

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鳥取県あおぞら農園の使用しているカニ殻肥料
鳥取県あおぞら農園の白なす

鳥取県あおぞら農園の白なす

目次

農薬を使う・使わないことの違い

農薬を使わないで、有機肥料をだけを使って栽培している鳥取県のあおぞら農園
代表の亀井喜代美さんに、野菜のことをたくさん教わりました。

化学肥料と有機肥料の、いったい何が違うのでしょう??

…理由一つに、育てるためにかかる時間の違い、があります。

有機肥料はゆっくり効く

8月中旬のこの時期、9月・10月にいいピーマンをきちんと収穫するためには、追肥をする必要があります。

追肥:植物が生育したあとに、生育状態に合わせて必要な養分を追加すること

有機肥料の特徴は、化学肥料に比べて効きがゆっくりであること。
追肥の場合も、肥料をあげてから効き始めるまで約二週間かかります。

じわじわ効く→ゆっくり育つ、のサイクルは、野菜の味がよくなることの条件です。
先週、福島の桃農家さんも同じことを仰っていました。
すぐに育っては美味しいものができないのですね。

ですので8月下旬ごろから効果を期待したいな…と思う場合、今頃から追肥をする必要があるのです。
ですから、おいしいピーマンを育てようと頑張る亀井さんにお盆休みは無縁のようです(*_*)

 

化学肥料は早く効く

肥料メーカーのサイトで調べると、化学肥料に関してはこんな風な記述。

植物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることを追肥といいます。すぐに効果を期待するため、速効性のある液体肥料(花工場原液など)や化成肥料を使用します。
(住友化学園芸のサイトより)

「すぐに効果を期待する」とありますが、液体の場合は1~2日、粒状なら4日~5日で効いてしまうのだそうです。(亀井さん談)

育ちが悪いな…と思ってパッと撒けばパっと効く!みたいな感じなのでしょうか?
追肥だけではなくて、病気を防ぐ農薬などに関しても肥料の効きは同様のようです。

レトルト食品と手作り食品の違いに似ています。
顆粒ダシと天然だしの違いの方が近いかな?
ともかくこの手間の違いが、味の違いです。

鳥取県あおぞら農園の使用しているカニ殻肥料

漁港にある工場からカニ殻を貰って来て干しているところ。カニ処鳥取ならでは

あおぞら農園は、肥料に鶏糞ではなくカニ殻を使用

野菜を美味しくゆっくり育てるために、亀井さんは肥料にもとても気を配ってらっしゃいます。
有機肥料は資材会社で販売もしていますが、亀井さんはそれも自前で手作り。

あおぞら農園では、肥料にカニの殻を使用しています。
その本質は、脱鶏糞!

鶏糞を使わないメリットはたくさんあるのですが、もともとは

肥料に使う鶏糞の、その元となる鶏が食べているものはなんですか?

というお客様からの質問があったこと。

確かに、糞にはその鶏が食べていたものが残留しています。
そして直接養鶏農家から糞を貰ってくるのでない限り、それを追うことがほとんどできないのが現状です。

本当に安心・安全な食べ物のためには、脱鶏糞が必要なのでは?と考え、たどり着いたのがカニ殻。

今はさらに、米ぬかぼかし肥料を加えているとか。
米糠に乳酸菌を入れ、10日間程度発酵させ出来上がります。
ちなみに米ぬかから作った乳酸菌は、放射性物質対策や抗がん対策に注目が集まっているものです。

鳥取県あおぞら農園の使用しているカニ殻肥料

鳥取県あおぞら農園の使用しているカニ殻ボカシ肥料

亀井さんからのコメント:
鶏糞主体の肥料からの脱却ということもありますが、鶏糞の多投入によってアンモニア態窒素が発生し、これに病害虫が寄って来るので、病害虫の発生防止がまず一つ。
それとボカシ肥料は微生物の大好物な食べ物なので、土中の微生物を多くできることと、野菜の旨みや甘さを増すといわれていることから、今年はボカシ肥料を復活をしました。

肥料選びで、うまみ・甘み・安全性ともにさらに増していけるのは素晴らしいな、と思います。

有機・無農薬の野菜は高いと思うこともあるけれど、こういうのを聞くと、べらぼうに高いわけではないとあらためて実感します。
価格差には意味がある。
その意味を大事だと思える野菜を食べたいです。

鳥取県あおぞら農園の使用しているカニ殻肥料

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この記事を書いた人

野菜ソムリエ/アロマテラピーインストラクターの主婦。「リラックスした状態こそ一番いい自分が出せる」「いい香りに浸りながら不安にはなれない」「穏やかな心はシンプルな食生活から」の思いで、簡単・手軽に楽しく暮らせる方法を発信しています。詳しいプロフィールはこちら

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