本能むき出しで香ってませんか
精油のボトルを開けて香りを確かめてみるとき、それが一体どんな香りなのかに興味が行きすぎて、本能むき出しになっていませんか?
背中を丸めて瓶に顔を近づけ、鼻をくんくんさせるその姿は…決して美しいものではありません。
アロマテラピーは嗅覚を利用して本能にダイレクトに作用するものなのでどうしてもそうなりがちなのですが、姿勢や手の動きをちょっとだけ意識するだけで、ぐっと仕草は美しくなります。
アロマの香りを嗅ぐときだけ気を付けていたことも、積み重ねていけばほかのしぐさにも影響していきます。
神は細部に宿り、継続は力なり。
今日はそんなアロマを香るためのお作法についてです。
ボトルに自分を寄せない
ボトルに自分を近づけるのをやめて、自分にボトルを近づけましょう。
まずはこれ。基本中の基本。これをやめただけで全然ちがいます。
食事のマナーもそうなのですが(犬食い)、前かがみになるのは美しくないです。
人は興味があるものに対して自分から寄っていってしまうのは心理学的にも言われていることですが、ここはぐっと理性を保って、背筋を伸ばしたまま手元まで瓶を持ってきてください。猫背厳禁!
その際、あまり鼻の近くまで瓶を近づけるのはお勧めできません。
見た目がよくないこともありますが、精油の香りには刺激的な成分も含まれていますので、鼻から20㎝程度離した状態がベストです。
鼻をクンクンさせない
自分の近くまでボトルが来たら、そこから手で仰いで香りを試しましょう。
ボトルに鼻を近づけてクンクンさせるのはご法度!
自分では見えていないですが、その時の顔って…なかなかな感じです。
気持ちが香りの本質を知ることのほうにぜーんぶ行ってしまっているので、顔への注意が空っぽになっています…ある意味スッピン以上のスッピン。
眉間にしわがぐっとよって、なぜか唇がきゅーっとすぼまっている方多し。本当に真剣に知りたい気持ちがあるときほどそうなっているともいえるのでむやみに責めるのも酷だとは思うのですが、「美しいかどうか」で言ったらNOでございます。
手で仰ぐときも、慌てずゆっくり手を動かしましょう。
肩の力を抜く
顔の表情の他にも、姿勢にもある共通のポイントがあります。
30人~の大人数の講座でも、数人程度の小さなクラスでも、なぜか香りを試すときは
肩が内側にすぼまる
肩が上がる
状態になる人が多いのです。
これがなぜなのかはまだ私にもわからないのですが、そうなりがちだということはたくさんの例が物語っています。
あまり美しくない姿勢です、肩の力は抜きましょう。
印象がガラッと変わる香り方の試し方
ムエット(試香紙:香りを試すための細長い紙)を使って試すときの手の位置で、あなたが周りに与える印象はガラッと変わります。
かわいいイメージ=顔と手が近い、手のひらや手首の裏側が見える
大人っぽいイメージ=顔と手の距離が遠い、手の甲が見える
が動作が与える印象の基本です。
顔の近くでピースサインをすると手のひらも手首も見えるから幼くかわいらしく見えるし、和装の際に扇子を帯の近くでパタパタするのは、手と顔の距離が遠く保ったまま手の甲を強調する仕草なので大人っぽく落ち着いて見えます。
この法則をムエットで香る際にも適用します。
かわいくor幼く見える香りの試し方
ムエットを親指と人差し指で挟んで持ち、手のひらを見せてバイバイするように顔の近くで振って香りを試します。
ただしオーバー30にはお勧めしません。
同じ持ち方でも、手の甲を見せるだけで落ち着きが加わりますのでそちらでいかがでしょうか。
大人っぽく知性的に見える香りの試し方
親指・人差し指・中指の三本を使って持ち、薬指・小指も揃えます。
遊んでいる指が少なく、バラバラしていない方が落ち着いて知性が感じられるようになります。
手の位置が顔から離れれば離れるほど冷静に見えます。(香りが届く範囲がありますからほどほどで)
また顔の斜めの位置にある方が明るく若々しく、顎の真下になると真剣味が増すイメージです。
手の甲が見える仕草って、素敵な指輪が映える仕草なのですよね!
素敵なジュエリーをお持ちの方にはぜひこの手の甲がゆっくりと強調される仕草がおすすめです。
誰からも教わっていない香りの作法
食べ方、挨拶の仕方は親や学校が教えてくれました。
でも香りの試し方なんて誰も教えてくれていないので、そこにその人の本性というか、普段の暮らし方が出るように思います。
香りを試すシーンはアロマのみならず紅茶・香水・お酒…など実はけっこうあるのですよね。
仕草は癖みたいな部分もありますので、五感をフル稼働させている瞬間も末端への意識が保たれているような状態になりたいものです。
他にも美しい香りのお作法がありましたらぜひ教えてください。