小学生が自分でつくるおやつ
今回の作り方は、さつまいもをつぶして、バターと牛乳を混ぜて、ラップでくるっと丸めるだけ。
「茶巾しぼり」という名前はちょっと和菓子っぽくて構えてしまいますが、やっていることはマッシュポテトを丸めているだけです。
包丁もフライパンも使いません。つぶす・混ぜる・丸めるの3ステップなら、小学校低学年でもほぼ一人でできます。
我が家ではもともと「さつまいもを蒸したらとりあえずやる」ものでしたが、テレビでご紹介したときに「子どもが自分で全部作れた!」という声を何件かいただきました。
- お子さんと一緒におやつを作ってみたいけど、何から始めたらいいかわからない方
- 「子どもに包丁はまだ早い」と思っている方(包丁、使いません)
- さつまいもが余っている方、もしくは焼き芋の残りを持て余している方
- 幼稚園や小学校のイベントで、簡単に作れるおやつを探している方
- 砂糖なしでも甘いおやつを作りたい方
たけだ旬の野菜を使って、小学生は自分で食べるおやつを自分で作ろう!
お母さんに作ってあげるような、そんな心優しい小学生が増えることを祈っております。
この記事では基本の作り方に加えて、甘く仕上げるための加熱のコツや、水っぽくなった時・崩れた時の直し方、かぼちゃ茶巾や紫いもへのアレンジまでまとめました。
火を使う工程・子どもが参加できる工程



火を使う?まだそういうのは早いかも?



火を使うのは「さつまいもを蒸す(または茹でる)」工程だけです。
ここだけ大人が担当すれば、あとの工程はすべて子どもが担当できます。
| 工程 | 大人 | 子ども |
|---|---|---|
| さつまいもを蒸す・茹でる | ◎ | △(見守り) |
| 皮をむく | ○ | ○(熱いので注意) |
| つぶす | − | ◎ |
| バター・牛乳を混ぜる | − | ◎ |
| ラップで丸める | − | ◎ |
| 飾り付け | − | ◎ |
「◎のところ、ぜんぶ自分でやった!」と言える達成感が、このレシピのいいところだと思っています。
さつまいもの茶巾しぼりの材料


- 加熱したさつまいも:70〜100g(小ぶりのもの半分くらい)
- バター:10g
- 牛乳:大さじ1(さつまいもの水分量で加減してください)
- オールスパイス:2振りほど
オールスパイスは、シナモン・クローブ・ナツメグを合わせたような香りがする「1粒で3度おいしい」スパイスです。さつまいもの甘さにびっくりするくらい合います。カレーにも使えるので、買っても余らせる心配はありません。
バターは有塩でも無塩でもOK。溶かしバターにしておくと子どもでも混ぜやすいので、開始前にゆるく30秒ほどレンジをかけておくと作業が進めやすくなります。
甘さを足したい時のアレンジ
さつまいも自体が十分甘いので、基本は砂糖なしで作ります。
ただ、品種や時期によっては「ちょっと甘さが足りないな」ということもあるので、そんな時は以下のどれかを少量加えてください。
- はちみつ:小さじ1程度。コクが出ます(1歳未満のお子さんには使わないでください)
- きび砂糖:小さじ1〜2。素朴な甘さが足されます
- メープルシロップ:小さじ1程度。洋風の仕上がりになります
個人的にはメープルシロップが好きです。オールスパイスとの相性が抜群。
彩りを付けたい時の材料
茶巾しぼりは見た目がどうしても「黄色い丸」になりがちなので、イベントやお弁当用に彩りを足したい時はこんな方法があります。
- 黒ごま:表面にぱらっと。定番ですが間違いない
- 抹茶パウダー:生地に少量混ぜると緑色の茶巾に
- ココアパウダー:チョコレート風味になって子どもウケ◎
- かぼちゃの皮:細かく刻んで混ぜると、緑のアクセントに
皮つきのまま潰すと、黄色い生地にオレンジ〜紫の皮がまだらに入って、これはこれでかわいらしい仕上がりになります。むしろ皮ありの方が好き、という声も多いです。
さつまいも茶巾しぼりの作り方
さつまいもの加熱方法
さつまいもを柔らかくする方法はいくつかありますが、甘さを引き出したいなら「蒸す」か「茹でる」がおすすめです。
さつまいもにはアミラーゼという酵素が含まれていて、60℃〜80℃の温度帯でじっくり加熱すると、デンプンが麦芽糖に変わって甘味が増します。
電子レンジは急激に温度が上がるので、この「じっくりゾーン」を素通りしてしまう。柔らかくはなるけれど、甘さが引き出されないまま終わってしまうんです。
蒸す場合: 皮つきのまま蒸し器に入れて、15〜20分。竹串がスッと通ればOKです。鍋にセットできる折りたたみ式の蒸し器(500円くらい)があると、16cm〜24cmの鍋で使えて便利です。我が家では土鍋にパコッとはめて使っています。
茹でる場合: 2cm厚くらいの輪切りにして、水から茹でます。沸騰してから10分ほど。蒸すより水っぽくなりやすいので、あとで水分調整が必要になることがあります(後述の「水っぽくなる時の対処」を参照)。
焼き芋の残りでもOK: すでに甘さが十分引き出されているので、実はこれが一番ラクです。冷めていても問題ありません。
潰して混ぜる
皮ごと使う場合はそのまま。熱いのでやけどに注意してください
多少ゴロゴロが残っていても、それが食感のアクセントになるので、神経質にならなくて大丈夫です
牛乳の量は「大さじ1」としていますが、さつまいもの水分量によってかなり変わります。べちゃっとしたら入れすぎ、パサパサで丸められなかったら足りない。ほんの少しで加減が変わるので、少量ずつ加えて、耳たぶの感触を目安にしてください。
皮はむかなくてOKです!むしろ柄のようになってかわいらしい。つぶすときに、ちょっと小さめにちぎれるように潰してください。


皮がないと、なんか寂しいのと、丸めた雑さが目立ちますw
ラップで茶巾にする
包んだラップの根元を、親指と人差し指で挟んで固定して、包まれたタネの部分を、手のひらで転がすと、絞った跡がきれいにつきつつ、タネがまあるくなります。
失敗しないコツ
さつまいもはゆっくり加熱!レンジNG


さつまいもの甘さは加熱のスピードで決まります。
アミラーゼが活発に働く60℃〜80℃の温度帯を、ゆっくり通過させることがポイント。だから蒸す・茹でる・焼くが正解で、電子レンジは不向きです。
「時間がない!」という時は、電子レンジで加熱して砂糖やはちみつで甘さを補うのもアリです。ただ、時間があるなら断然蒸した方がおいしい。その差は子どもでもわかるくらいはっきりしています。
ちなみに、さつまいもが本当にあま~くなるのは収穫直後の秋口(10月頃)ではなく、熟成が進んだ1月頃。
新ものの季節から冬まで、甘味の変化を楽しめるのもさつまいものおもしろいところですので、何度か作って食べ比べも楽しいですよ。
水っぽくなる時の対処
茹でたさつまいもで作ると、水分が多くてベチャッとした生地になることがあります。
対処法:
- 牛乳を減らす(または入れない)。 まず牛乳なしで生地の硬さを確認してから、足りなければ少しずつ加えてください
- 電子レンジで水分を飛ばす。 ラップなしで30秒ずつ加熱し、そのたびに混ぜる。2〜3回で適度な硬さになります
- 片栗粉を少量足す。 小さじ1程度加えると、生地がまとまりやすくなります。入れすぎるともちもちしすぎるので注意
最初から蒸す方法を選べば、この問題はほぼ起きません。
崩れる時の直し方
ラップで丸めたあと、開けたら崩れてしまう場合。
原因はたいてい水分不足です。パサパサの生地は丸めてもまとまりません。
- 牛乳を小さじ1ずつ足して、耳たぶの硬さになるまで調整してください
- バターを少し多めにするのも効果的です(油分がつなぎになります)
- それでもダメなら、生地が冷めすぎている可能性があります。温かいうちの方が成形しやすいので、電子レンジで軽く温め直してみてください
子どもと作るならここが楽しい


丸める係
これが子どもにとって一番楽しい工程です。
ラップにタネをのせて、包んで、ねじる。粘土遊びの感覚に近いので、幼稚園くらいの子でも夢中になります。
大きさがバラバラになるのは想定内。「お父さん用の大きいの」「赤ちゃん用の小さいの」など、サイズ違いをわざと作るのも盛り上がります。
飾り付け係
丸めた茶巾に飾りをつける工程は、子どもの創造力が発揮されるところ。
- 黒ごまで顔を描く
- ナッツやドライフルーツをのせる
- きなこやココアパウダーをまぶす
お皿への盛り付けまで任せると、「自分が作ったおやつ」という自覚がぐっと強くなります。
小学生でも作りやすい理由
このレシピが子ども向きだと思う理由を、改めて整理すると:
- 包丁を使わない。 皮は手でむけるし、つぶすのはフォークでできる
- 火を使う工程が1つだけ。 しかもそこは大人が担当できる
- 計量がざっくりでいい。 「大さじ1くらい」「2振りくらい」で十分おいしくできる
- 失敗しても取り返せる。 水っぽければ水分を飛ばす、パサパサなら牛乳を足す。やり直しがきく
- 完成まで30分かからない。 集中力が続く時間内に「できた!」まで到達できる
「お母さんに作ってあげるような、そんな心優しい小学生が増えることを祈っております。」と、テレビ放送のときに言った記憶があります。あのときの気持ちは今も変わっていません。
アレンジ例
かぼちゃ茶巾
さつまいもをかぼちゃに置き換えるだけ。作り方はまったく同じです。
かぼちゃの方が水分が多い品種があるので、牛乳は少なめからスタートしてください。オールスパイスの代わりにシナモンを使うと、ハロウィンっぽい仕上がりになります。
かぼちゃの皮を細く切って上にのせると、かぼちゃの「ヘタ」に見えてかわいい。
紫いもバージョン
紫いもで作ると、鮮やかな紫色の茶巾ができます。
味はさつまいもよりあっさりしているので、はちみつやメープルシロップで甘さを足した方がおいしいと思います。さつまいもの茶巾と並べると、色のコントラストがきれいでイベント向き。
きなこ・ごま・レーズン
生地に混ぜ込むアレンジもおすすめです。
- きなこ:大さじ1を生地に混ぜる。和風の風味が加わって、お茶請けにぴったり
- すりごま:大さじ1を混ぜる。香ばしさがプラスされます
- レーズン:刻んで混ぜる。甘味と食感のアクセントに。ラム酒に漬けたレーズンを使えば大人バージョンになります
保存方法と作り置き
冷蔵保存
ラップに包んだまま冷蔵庫で2〜3日保存できます。
食べるときは電子レンジで軽く温めるか、常温に戻してから。冷たいままでもおいしいですが、温めた方がバターの風味が立ちます。
冷凍できる?
できます。 ラップで包んだ状態のまま、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍してください。2〜3週間が目安です。
解凍は冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジの解凍モードで。急いでいる時は600Wで20〜30秒ずつ様子を見ながら加熱してください。
冷凍しても食感はほとんど変わりません。多めに作って冷凍しておけば、おやつのストックになります。
お弁当に入れる時の注意
茶巾しぼりはお弁当にも入れやすいサイズですが、いくつか気をつけたいことがあります。
- しっかり冷ましてから入れる。 温かいまま蓋をすると水滴がついて傷みやすくなります
- シリコンカップに入れる。 他のおかずと味が移るのを防げます
- 夏場は保冷剤と一緒に。 乳製品(バター・牛乳)が入っているので、気温が高い時期は注意してください
サツマイモの選び方と保存方法


皮にツヤがあり表面がなめらかで、絵に描いたサツマイモに近い形ものを選びましょう。
極端に細いものや黒い斑点、傷があるもの、ヒゲ根があるものは繊維が多いことが多いです。
土の中でぬくぬくと育ったサツマイモは寒さと乾燥が苦手です。
最適貯蔵温度は12℃±2℃前後、これより低い温度で保存すると品質低下を招きますので、冷蔵庫には入れないで、新聞紙などにくるんで常温で保存しましょう。
この記事の後半で、野菜の保存にめっぽう適している新聞紙で作った保存バッグのことを書きました。



新聞バッグ、バリエーションがいろいろでかわいいんです。さつまいもや玉ねぎなど、常温保存の野菜に使っています。
テレビ紹介レシピアーカイブ
2016年10月22日放送のテレビユー福島「げっきんチェック」の金曜日コーナー「野菜ビストロ|ナオトキッチン」で「さつまいもの茶巾しぼり」としてご紹介した内容を、 現在向けに再編集しています。
【子供も作れるおやつの記事はこちらもどうぞ】
このサイトでは、子どもと一緒に作れる野菜を使ったおやつのレシピを紹介しています。どれも火を使う工程が少なく、小学生なら自分で作れるものばかりです。




小学生から作れる野菜のおやつ|さやいんげんの春巻きスティック


広告でも秋の感じを出すためにはサツマイモのイラストがよく使われますが、実は本当にあま~くなるのは熟成のすすんだ1月頃。
収穫が始まってすぐのいわゆる「新もの」にあたる時期が秋口の10月ですが、そこから冬までながく付き合える野菜。いろんな食べ方で、ぜひ甘味の違いや品種違いを楽しみたいところです。
















