抗酸化力の源:フィトケミカルってそもそもなに?
最近よく聞く抗酸化力が高まる成分・フィトケミカルやポリフェノール、簡単に言うと
植物が紫外線の害や虫などから自らを守るために作り出した物質で、多くは野菜の色や辛み、臭いなどの植物成分です。
だから普段の食事で生かそうと思ったら、「香りがするもの」「色が濃いもの」だったら、フィトケミカルがたくさん含まれているのかな?と考えればいいんじゃないかしら。(あくまでざっくり、ね)
例えば「ビタミンCたっぷりチョップドサラダ」で使ったパセリやターメリック、トマトやクコの実など、古来ハーブやスパイス・漢方薬として使われてきた野菜には、フィトケミカルが豊富に含まれているものが多いです。
どれも色か香りが強いですよね?
種類がありすぎてどれに何が含まれているのかよくわからない…なんてことがあっても、そもそもフィトケミカルって何千種類もあるものなんで覚えられなくて当たり前だし、覚えなくていいと思う。
色や香りがあるもの、と覚えていれば、日常生活では十分生かせると思います。
食卓がカラフルになれば、それが美容と健康への近道!
第7の栄養素フィトケミカル、うまく取り入れるコツ
フィトケミカルは、ビタミン・ミネラル等の必須栄養素ではないものの、その抗酸化力の高さから第7の栄養素とも呼ばれています。
抗酸化力についてもう一度簡単に言うと、
茶色く変色するリンゴ(=シミ)、さび付いてモロモロになる釘(=動脈硬化)…こんなのが酸化のイメージ図によく使われるけど、同じことが体内で起っていて、それを防ぐのが抗酸化です。
身体の老化にあらがう力。
で、高い抗酸化力を持ったフィトケミカルを上手に摂るコツは、フィトケミカルの特性を生かすことです。
その方法はおおきく3つ!
1)匂いを逃さない:香り成分なので、蒸気と一緒に逃げやすいからふたを閉めて調理
2)煮汁を逃さない:色素は加熱に強いが煮汁に溶けやすいので、煮汁ごと食べられる方法を選ぶ
3)油と一緒で吸収力大:脂肪分と一緒に摂ることで吸収力が上がります。魚の油など、オメガ3系の油と一緒に摂りましょう。
ゆでるより炒める、煮るなら煮物よりスープ。
加熱には強いから調理時間は心配しなくて大丈夫。
以下、三つを同時に叶える炊き込みご飯をご紹介します。
ミニトマトと鮭のカラフル炊き込みごはんの作り方
キーワードは「赤い食べ物を選ぶこと」。
トマト、スイカ、イチゴ、鮭、エビ…などなど、赤い色の食べ物はどれも美容(特にお肌)にいいフィトケミカルがたっぷり含まれています!赤い食べ物の抗酸化力で、お肌の美しさを内側から支えたい。
すごく簡単だし、フィトケミカルの良さを余すところなく頂いた上に、良質のたんぱく質も同時に摂れます。
2017年5月22日放送のテレビユー福島「げっきんチェック」月曜日コーナー「ふく美人~食べて幸せ♥ベジフル生活~」で「トマトと鮭の炊きこみライス」としてご紹介しました。
米 2合
鮭 2切れ
ミニトマト 15粒
クコの実 大さじ1強
ターメリック 大さじ2分の1
クミン 小さじ1
イタリアンパセリ 適量
1. 米をとぎ、ミニトマトをまるごと入れる。水はミニトマトを入れてから2合のラインまで入れる。
2. 水を量った後に、鮭を載せ、スパイス他を入れて普通か炊き込みモードで炊飯する
3. 炊き上がったら刻みパセリを散らし混ぜて出来上がり
ミニトマトも鮭もまるごと並べて入れるだけ。しゃもじで混ぜれば具はほぐれます。
トマトと鮭の赤、ターメリックの黄色。赤・黄ときたらやっぱ緑でしょう…というわけで、最後に刻んだイタリアンパセリを混ぜます。
イタリアンパセリも、ビタミンCたっぷりβカロテンたっぷりの素晴らしい野菜だよ。
緑の野菜は、一緒に炊き込むと色が抜けて鮮やかさが減るので、あとで混ぜる方がいいと思います。
イタリアンパセリが苦手なら、今の季節だと茹でた絹さやとかアスパラガスとかかな。
野菜・魚・ごはんがいっぺんに食べられるから、忙しい人にもぴったり!
黄色のターメリック抜くとこんなかんじ
ターメリックは日本語だと「ウコン」。肝臓に作用すると言われて有名ですが、主成分のクルクミンも高い抗酸化力を持つものです。
黄色いご飯といえばサフランライスも考えましたが、サフランよりターメリックの方が売場で見かけやすいこともあってこっちにしました。
でもスパイスの香りが苦手な人もいるかな~と、試しにターメリックなしで炊いたときの炊き上がりはこちら。
ご飯はほーんのり赤いくらい。
ターメリックなしだと、和風味との相性もよさそうな仕上がりでした。
刻み大葉と具だくさん味噌汁が合いそうです。
こっちも気軽で好きだな!
ミニトマトのリコピン、鮭のアスタキサンチン
とくにお肌にいいとされる物質には赤い色が多いの!今回使った赤食材の簡単な説明がこちら。
赤の素①アスタキサンチン
鮭・カニ・エビなどに含まれる、白い魚を赤くする成分。焼いたときに赤い、が目印です(マグロは焼いたら白くなるから違います)。
アスタキサンチンが一気に有名になったのはこの商品がきっかけ!
アスタリフト クリーム 30g
酸化の中でも、特に紫外線を浴びたときにできるシミの素と戦う力に優れていて、シミをできにくくしてくれます。(詳しく知りたい方は「一重項酸素」について調べてみてください)
お化粧の時に毎回シミ・ほくろをコンシーラーで消しながら思いますけど、濃いものはもちろん、薄いものであってもシミを塗りつぶしただけで若返って見えるのですよね!
とくにお肌って、体にとっては外壁みたいなものなわけで、少々傷んでも脳や内臓の方が守られればいいというポジション。
だからいろんな栄養は脳や内臓が優先で、お肌には最後に分配されるのだそうです。
それを聞くと、フィトケミカルに限らずビタミンCもひたひたにしておきたい。
「ストレスが少ない人は若々しい」というのも、こういうフィトケミカルを内蔵で消費しちゃわないでお肌にちゃーんと回ってきてるからなんじゃないの?という想像が膨らみます。
お肌以外だと、運動時の脂肪燃焼を高めてくれる作用があるという報告もあります。
鮭はアスタキサンチンが豊富なうえに、良質な魚油とたんぱく質が同時に摂れることから、美容に興味のある人がたんぱく質を摂るときには欠かせない選択肢。
カロリーを抑えたいときの美容メニューはたいてい鶏肉か鮭を選ぶイメージです(私調べ)。
赤の素②リコピン
野菜の中ではトマトに最も多く含まれている赤い色素成分で、抗酸化作用だけではなくて抗ガン作用に関する報告もあるほど。
そしてここだけは覚えておいてほしいのですが、ミニトマトのほうが、普通サイズのトマトよりもリコピン含有量・ビタミンA、C(βカロテン)が多いんです!
一日の推奨摂取量15㎎を取るには中玉2個ぐらい食べる必要があるといわれていますが、ミニトマトなら約10個~15個。
そして木になっている状態で真っ赤になっているものを「完熟」トマトと呼ぶのですが、青いうちに収穫したモノと比べるとリコピン量も旨み成分の量も、完熟トマトのほうが断然多いです(糖度は同じ)。
だから美容にいいのは完熟ミニトマトなのですが、売っているものだと青いうちに収穫しているものも多いのが事実。
ミニトマトはプランター栽培も簡単ですので、毎日食べるためにぜひ今年栽培してほしい野菜です。5月~6月上旬ぐらいまでに植え付ければ、夏から10月いっぱいぐらいまで収穫できる、まさに今植え頃です。
富士商 菜菜畑 ジュートプランター キューブ 2個セット
今プランターも、こんなかわいいのありますし!
ミニトマトを夏の間毎日食べたいので、私も先週植えました!
赤の素③ゼアキサンチン
最後はクコの実に含まれるフィトケミカルのゼアキサンチン。アスタキサンチン同様、シミの原因になる種類の酸化と戦う力に優れています。
中国では不老長寿・延命効果の薬用果実で、美容系の八宝茶には必ず入っているクコの実。
八宝茶は、体が冷えが頭痛になるぐらいひどい人にはおすすめ。私は飲んですーっと頭痛が引く経験をしたことがあります。
RIMTAEオリジナル八宝茶(はっぽうちゃ) 5パック メール便
クコの実は杏仁豆腐の上にひとつぶポチっと乗っているのが定番だけれど、一日ひとつかみぐらいぐらい食べていいんですよ!
スーパーの中華食材コーナーでみかけるのはこのぐらいの小さい袋だと思うんですけど
S&B 菜館 クコの実 15g
クコの実はおやつにも食べられるドライフルーツだと思って、大袋で買ってじゃんじゃん食べたらいいと思っています。
中華風の、とろみのある炒め物の時に入れるとイロドリになってキレイだし。
オーガニックゴジベリー 57g【有機JAS認証付】
英語名の「ゴジベリー」で探すと、オーガニックなものも見つけやすいです。
…とこんなふうに、赤い色の濃い食べ物って老化と戦ってくれる成分がてんこもりなんです。
和食・洋食によらず食卓が茶色っぽい方はぜひ赤い食べ物を足してみて。
細かいことを考えなくても、彩りが鮮やかな食卓に変わっただけで、前よりもきっと美容と健康によい食卓に変わっていますよ!
野菜の抗酸化力が数値化されている本
野菜の抗酸化力についてもっと知りたい方には、こんな本があります。
表紙は地味ですが、中は前ページカラーだし、グラフがたくさんで見やすい。
抗酸化力を3つの方法で多面的に測定しているほか、
・月ごとの抗酸化力とおいしさ値の変化
・調理の仕方による抗酸化力の違い
・メニューによる抗酸化力の違い
・主な野菜の品種ごとの違い
など、細かいけど日々の生活に置き換えて考えやすい具体的なデータがたくさん!
私がついつい見入ってしまうのは、メニューごとの抗酸化力の例。
例えばスイカスムージーは、スイカのみのスムージーの抗酸化力を100としたときに、
・スイカ+うめぼし=87
・スイカ+ラズベリー+寒天=667
と大きく違う!スイカと梅干なんて、塩気とクエン酸取れて疲労回復によさそうなのに…
野菜に美容の力を求めている方、ぜひ手元にあるとスムージーづくりやサラダづくりが楽しくなる本ですよ~
さいごに
美容・健康ってとにかく「不調をいかに治し整えていくか」にフォーカスしがちですけど、そうではなくて「生き生き美しくなるにはなに食べたらいいか??」という、マイナスの穴埋めではなく、プラスの積み増しを目指すメニューを考えています。