アロマテラピーインストラクターを目指す人なら必見の、とにかく表がわかりやすい本みつけました
アロマテラピー検定を受けたあと、アドバイザー・インストラクターとステップアップしていくわけですが、その時覚えるのが難しく、大きな壁となって立ちはだかるのが精油の成分とその作用。
よく言う
マジョラム精油で咳止めできるよ
が、いったい化学物質の集まり(科学的組成)としてどの成分がどのように働くか(薬理作用)を覚えるパートです。
この場合、マジョラムに含まれるδ3カレン(モノテルペン系炭化水素)の鎮咳作用の働きで…といった具合のことを覚えていくわけで、メディカルアロマテラピー方面を目指す場合は必ず通らなくてはならない道です。
ただ化学の授業で習ったっきりすっかり忘れていたような事柄が出てくるため、苦手意識を持つ人がとても多いわりに、わかりやすい一覧表が少ないのも事実。
覚える要素が多いため、なかなか全部をばばっとまとめて記載してある本がすくないのです…が、とってもわかりやすい一覧が意外な本に掲載されていました。
お医者さんの書いた、妊婦とこどものためのアロマ本です
なんと載っていたのは妊娠関連のアロマ本。
アロマテラピーを行う上で、妊婦と子供は通常とは異なる配慮が必要となります。
ふつうの本だと注意書きとして書かれてはいるのですがメインではないため、それ単体でまとまって書かれている本が欲しくて購入しました。
私も、自分が妊娠しなかったら買わなかった本かも。
そしたら、ひらいてすぐの「アロマテラピーの基礎知識」のページがとっても充実していまして!
覚えにくい化学成分としての分類と、代表的な精油成分、そしてそれぞれの作用や特徴が一覧になって、12分類まるまる4ページ使って表になってました。
成分分類ごとに表が整理されている
便利だな、と感じたポイントは成分分類がアタマになって表が構成されているところ。
一部引用として、モノテルペン炭化水素類を例にとるとこんな感じ↓
成
分
分類モノテルペン炭化水素類 代表的な成分 カンフェン、サピネン、テルピネン、パラシメン、ピネン、ミルセン、リモネン、δ3-カレンなど 作用 うっ滞除去、抗炎症、強壮、去痰、コーチゾン様、弱い殺菌、弱い消毒、組織再生、鎮痛作用など 特徴 ほとんどの精油に存在し、柑橘系では9割以上を占める主要成分。光、熱、空気で変化しやすい 毒性 光感作、皮膚刺激作用あり これを含む精油 柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、ベルガモット、マンダリン、レモンなど)、サイプレス、ジュニパー、ティーツリー、ネロリ、パイン、フェンネル、フランキンセンス、ペパーミント、マージョラム、ローズマリー・カンファー
で、これがセスキテルペン炭化水素、モノテルペンアルコール…と12分類目のラクトン類までずっと続きます。
よくある教科書だと、「精油の種類ごと」か「作用ごと」に表が構成されていることが多くて、成分はあくまでその中の一部。なので、なかなかどの成分がどの精油に共通して入っているのかを覚えるのはやっかいだったりするのです。
それがこの表があれば、各成分が持ってる作用をがしっと1回で把握できます。
ページ数惜しまず、関わることすべてを表にしてくれています
表にするときは見開き2ページで見終えられることにこだわるあまり、表の項目は少なめに構成することが多いもの。
たとえば
分類と代表的な成分(モノテルペン炭化水素:リモネン)だけ
とか、
代表的な成分と作用(リモネン:消臭・抗炎症)だけ
など、せいぜい2つか3つの要素ぐらいまで。
だから、それ以外のことを知りたいときにはあっちこっちのページにその都度移動して探さないといけなくて、全体としての理解がなかなか進まないのです。
しかしこちらは、しっかりページ数を使って、一つの分類について語れることを1か所に納めることに注力してるから、とにかく手始めにまとめて覚えたい人、これまで化学が苦手で離れていたような人には最適な表です。
字を読みたくない人にも表は大事よね。
インストラクター試験ではここまでは細かく問われませんが、インストラクターになるなら絶対知っておきたいことなので、ほんと苦手な人には一度この表を見てもらいたいなと思いました。
巻末の精油の種類と効果一覧表もよかったです
その他に掲載されているものも含めて、この本はとにかく表が見やすい!わかりやすい!
いままでいろんなアロマ本を見てきて
レシピが素晴らしい本
写真がきれいな本
などは目にしてきましたが、表がわかりやすい本というのは初めてです。
巻末にある「精油の種類と効果一覧表」は、引用できないので言葉で説明すると
精油をフローラル系・かんきつ系など7種類にわけて、
それぞれに属する精油を明記し(ここまではよくある)、
妊娠初期・中期・出産時など5つの時系列に沿って
食欲不振・不眠など、それぞれの時期に特徴的な不調を挙げて
どの精油がどの時期・症状に働くのかが一目でわかるようになっている表です。
香りのノートもわかるように書いてあるのでブレンドもらくらく。
巻頭と巻末のことばっかり書いてますが、本文中にはそれぞれの症状に合ったレシピと解説がたっぷり載ってますので、その時の自分の解消したい悩みに合わせて前後を行ったり来たりしながら読むと、アロマテラピーの理解がものすごーーく進む本です。
そしてこの本のすごいところは、べつに教科書ではないので、始めてアロマテラピーを試してみる人でも理解できるように作られているところ。
特に妊婦さん・子持ちの方に限らず、はじめからアロマテラピーの薬理作用方面に興味がある方はこの本からスタートすれば、間違いなく短い時間でアロマのメディカルな側面が理解できると思います。
検索すればたいがいなんでも出てきますが、ネットに掲載されているアロマの知識はまだまだ文字が主体。
表や写真はやっぱり本の方がいいものが載っています。
成分と作用をしっかり理解したい方は、ぜひ一度見てみてくださいね。
アロマテラピーの科学的な側面について知りたい方はこちらの本もお勧めです。
こちらの本は、2024年発売で比較的新しく、
また日本アロマテラピー学会の理事長・副理事長を務める薬科大学教授の著者です。