- 暑い日や疲れた日、火の前に長く立っていたくない。
- 冷蔵庫には、いただきものや買いすぎたトマトが赤くなっていく
先日、TUFの『旬のお野菜とどけ隊』で、いわき市のトマトを使ったレシピを紹介させていただきました。野菜ソムリエとして毎回おじゃましている、畑からのコーナーです。
今回作ったのが「トマトカレースープ」。トマトのうま味をぎゅっと凝縮した、10分弱でできる一皿です。
使うお肉はひき肉、トマトは形を気にせずざく切り。長時間炒めがちな玉ねぎも、ある方法でぐっと時短します。
暑い日でも、なんとかがんばれる。そんなレシピを、テレビで伝えきれなかったコツも含めてご紹介しますね。
こんなレシピです。
- 煮込みは8分ほど。トータル10分弱で作れます
- お肉はひき肉だから、暑い日でも扱いがラク
- トマトのうま味を凝縮。生とは別ものの深い味わい
- トマトは加熱するとリコピンが吸収されやすくなります

トマトカレースープの材料(2〜3人分)

まずは材料です。テレビで紹介したものをベースに、スープとして食べやすい配合にしています。
| 材料 | 分量(2〜3人分) |
| トマト | 300g |
| 豚ひき肉 | 100g |
| 玉ねぎ | 200g(中玉1個) |
| にんにくすりおろし | 1かけ |
| 塩 | 小さじ1 |
| カレー粉 | 大さじ1 |
| 水 | 350ml |
| ワンタンの皮 | 10枚ほど |
| サラダ油 | 適量 |
カラメルの分(あとで作ります)
- 砂糖 大さじ1
- 水 大さじ1
今回は水を350ml入れた「スープ」仕立てです。この水を控えめにすると、トマトの水分でとろりと仕上がる「無水カレー」寄りになります。ごはんにかけたい日は水を減らして、するっと食べたい日はスープに。その日の気分で水加減を変えられる一皿です。
10分で完成!トマトカレースープの作り方・手順

下ごしらえは、玉ねぎをスライサーで薄切り、トマトをざく切り、にんにくをすりおろすだけ。あとは炒めて煮るだけです。
フライパンに油を熱し、薄切りにした玉ねぎを中火で炒めます。しんなりしてきたら、玉ねぎをフライパンの端に寄せてください。
空いたスペースに砂糖大さじ1、水大さじ1を入れ、加熱してカラメルを作ります。茶色く色づいたら、玉ねぎと混ぜ合わせます。このひと手間が、コクの秘密です(詳しくはこのあとで)。
豚ひき肉100g、にんにく、塩小さじ1、カレー粉大さじ1を加え、色が変わるまで炒めます。
肉に火が通ったら、ざく切りのトマトを加えます。トマトから水分が出るよう全体を混ぜ合わせ、水350mlを入れて8分ほど煮込みます。
最後にワンタンの皮を10枚ほど入れて、軽く煮たら完成です。皮がつるっとして、スープに程よいとろみが出ます。水分が多ければ、ふたを外して好みの濃さに整えてください。
なぜカラメル?飴色玉ねぎの「コク」を時短で再現する裏技

玉ねぎのコクといえば、飴色になるまで長時間炒める――そう思っていませんか。でも暑い日に、フライパンの前でずっと木べらを動かすのは、正直つらいですよね。
そこで使うのが、砂糖と水で作るカラメルです。作り方はかんたん。炒めた玉ねぎを端に寄せ、フライパンを少し傾けて、空いたところで砂糖大さじ1と水大さじ1を加熱します。
1〜2分ほどで、沸騰して泡立ち、茶色く変化して粘りが出てきます。そのタイミングで玉ねぎと合わせるだけ。
このカラメルを玉ねぎと合わせると、長時間炒めた飴色玉ねぎのようなコクと香ばしさが、手軽に足せます。いわば、飴色玉ねぎの「フリ」をしてもらう、というわけです。
たけだカラメルは、焦がしすぎると苦くなります。茶色く色づいて粘りが出たら、すぐ玉ねぎと合わせてくださいね。ここだけ、そばで見ていてあげてください。



トマトって、加熱すると栄養が壊れちゃいませんか?生で食べたほうが体にいい気がして…。



それが、トマトはむしろ加熱が吉。赤い色のもとのリコピンは、加熱すると細胞から出やすくなって、油と一緒だと体に吸収されやすくなるとされています。うま味も増えるので、生とはまた違うおいしさになりますよ。くわしくはこのあとお話ししますね。
野菜ソムリエが教える!おいしく作るコツとアレンジ


玉ねぎは「繊維を断ち切る」スライスで甘みを引き出す
玉ねぎはスライサーで、繊維を断ち切る方向に薄切りにします。こうすると細胞が壊れやすくなって、水分やうま味、甘みが短時間で引き出されるんです。短い加熱でコクを出したいこのレシピには、ぴったりの切り方です。
ちなみに私は普段、別途スライスせず、フライパンの上でじかにおろしてしまうこともあります。洗い物が減って、暑い日にはこれがいちばんラクなんです。
トマトは皮ごとざく切りでOK!煮込んでソースに馴染ませる
トマトは煮ると崩れてソースになじむので、大きさを揃えなくて大丈夫。皮も湯むきせず、そのままで問題ありません。「きれいに切らなきゃ」の力を抜けるのが、このレシピのいいところです。
水加減でお好みに。するっと「スープ」仕立て&濃厚「無水カレー」風


先ほども触れましたが、このレシピは水の量で表情が変わります。水350mlでするっと飲めるスープに。水を控えめにすれば、トマトの水分を活かしたとろりとした無水カレー寄りに。ごはんにかけたい日、パンに合わせたい日、するっと食べたい日で、使い分けてみてください。



水分が多いなと思ったら、ふたを外して煮詰めればいいだけ。失敗ではありませんから、安心してくださいね。
こんな人におすすめ


美容が気になる方から、夏休みをおうちで過ごす小学生まで。誰にでも愛されるトマトだからこそ、こんな人におすすめです。
- 日焼けが気になる美肌派の方へ
- 2日間ぐらいおいしく食べられる野菜メニューを探している方に
- お料理初心者さんに
- お子様クッキングの入門編に
切り方を気にしなくていい食べ方だから、忙しい方や初心者さんにおすすめです。
TVコーナー『旬のお野菜とどけ隊』で取材した「いわき市あかい菜園」の秘密


今回のレシピの前半、番組ではいわき市のトマト畑からお届けしました。ここで教わったお話が、とてもおもしろかったので少しご紹介させてください。
いわき市は、東北有数のトマトの産地。冬でも雪が少なく、年間を通して日照時間が長い気候を活かした、ハウス栽培が盛んな土地です。
中でもブランドトマトの「サンシャイントマト」は、程よい酸味とみずみずしさのバランスが絶妙で、飽きのこない味わいが全国でも人気なのだそうです。
番組でおじゃましたのは、そのサンシャイントマトを育てる「あかい菜園」。代表の船生(ふにゅう)典文さんにお話を伺いました。
あかい菜園は、サッカー場2つ分(1.5ヘクタール)もの広い敷地で、年間300トンものトマトを出荷。ハウスの中では、およそ20種類ものトマトが育てられているそうです。


・おいしいトマトの秘密は「気温差」。そのために温度管理の工夫をたくさんしている
・土を使わない「溶液栽培」で育てている
・おいしいトマトの見分け方は「色ムラが少ない」もの
・中には、生で食べるより加熱したほうがおいしくなる品種もある
「生より加熱したほうがおいしいトマトがある」と聞くと、トマト=生で食べるもの、という思い込みが少しほどけませんか。今日のカレースープも、まさに“加熱でおいしくなる”を活かした一皿です。お買い物のときは、ぜひ「色ムラの少ないもの」を選んでみてくださいね。
調理科学で納得。トマトは「加熱」でうま味も栄養も劇的アップ!


このレシピが「たっぷり&加熱」をおすすめする理由を、栄養の面からもお話しします。トマトは、加熱するといいことが2つあるんです。
① リコピンの吸収率を高める「加熱×油」の相乗効果
トマトの赤い色のもとであるリコピンは、強い抗酸化作用を持つことで知られる成分です。
このリコピンは、加熱することで細胞から出やすくなり、さらに油と一緒に摂ることで、体への吸収率が高まるとされています。
今回のレシピは、油で炒めてから煮込むので、その両方がかなっています。
② 旨み成分が倍増!グルタミン酸とグアニル酸のメカニズム(農研機構データより)


もともとトマトには、グルタミン酸という植物性のうま味がたっぷり。さらに野菜としては珍しく、干ししいたけのうま味成分として知られるグアニル酸も含んでいます。
そして、農研機構の研究では、トマトを加熱するとこのグアニル酸が増加することが報告されています(出典:農研機構「トマトのうま味成分グアニル酸が加熱調理で増加」)。
グアニル酸はグルタミン酸のうま味を強める働きがあるので、加熱したトマトは、より深みのある味わいになるというわけです。だし要らずでこの濃さになるのは、トマトがうま味の宝庫だからなんですね。



「トマトは生が一番」と思っていた方は、ぜひ一度、加熱したトマトのうま味を味わってみてください。だしを足していないのに、この深さ?とびっくりするはずです。
トマトカレースープのよくある質問(ワンタンの皮の代用や辛さ調整)
- ワンタンの皮がないときは?入れるタイミングは?
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ワンタンの皮は、仕上げにさっと煮て、麺やご飯の代わりに入れます。8分煮込んだ最後に加えて、軽く火を通せばOKです。なければ、そのままスープとして食べても十分おいしいです。餃子の皮でも近い雰囲気になります。
- ミニトマトや加熱用トマトでも作れますか?
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作れます。でも水分があまり出なかったりすることが多いので、買いに行けるなら大玉トマトがおすすめです。加熱用(調理用)トマトは、生で食べるより加熱でぐっとおいしくなる品種なので、このレシピにはむしろ向いています。手に入ったらぜひ試してみてください。
- 辛いのが苦手です。子どもでも食べられますか?
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カレー粉の量で辛さを調整できます。お子様用の辛くないカレー粉を使って作って、大人は後でチリパウダーや唐辛子をかけて調整して食べるのも手です(私は今こうしてます)。ワンタンの皮のつるっとした食感も、お子さんに好まれやすいですよ。
まとめ:余ったトマトを「加熱の主役」にする絶品スープ


トマトカレースープ、いかがでしたか。ひき肉とざく切りトマト、カラメルで作る時短のコク。煮込みはたった8分で、トマトのうま味がぎゅっと詰まった一皿になります。
加熱するとリコピンは吸収されやすく、うま味も増える。夏に余りがちなトマトを、おいしくたっぷりいただける食べ方です。
水を多めにすればスープ、控えめにすれば無水カレー寄り。
その日の気分と食欲で、水加減を変えてみてください。暑くてくたびれた日でも、頑張らなくても、素材がおいしいから大丈夫!
このレシピは、TUF『旬のお野菜とどけ隊』(いわき市トマト回)で野菜ソムリエ・武田都がご紹介したものです。福島の旬の農産物と、簡単アレンジレシピをお届けしています。
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