盆があけて一気に涼しくなったら、頭まで冷静に冷えてきた模様。
テレビ番組で野菜の栄養素の話したり、自分もブログでアロマや食事と健康のことをいろいろ書いていますが、それらの批判・反対意見ももちろんたくさんあります。
冷静に考えろ、と教えてくれる本がたくさんある。
そんな本を読んでいる、8月後半です。
代替医療解剖/サイモン・シン、エツァート・エルンスト
鍼治療、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法を中心に、「代替医療」と呼ばれるものが本当に病気を治療できるのか?を検証しています。
一部のハーブ以外、ほとんどが効果がないか、プラセボ効果と結論。
巻末付録に、いまあるたいていの代替医療(アロマテラピーも入ってます)についての評価もついていて読み応え十分。
科学者・医療者の検証手順
代替医療者側の反論
患者側の「効くならなんでも」という人情
取り巻くマーケットの話
が順番に出てきますので、一通りの全部の立場に立ちながら読むことができます。
ちなみにアロマセラピーについては巻末付録にちょっと書いてあって、なってしまった病気を治療することはできないけど、リラックスやストレス緩和にはいいんじゃないの?の評価でした。
アロマテラピーも一章立ててほしかった!読みたい!
プラセボ、すごくない?
こういう感想を持つのは邪道かもしれないけれど、代替医療の効果がないと証明されればされるほど高まるプラセボ効果の高さに驚いてしまった。
この本を読んだ方と分かち合いたい。
この著者が書いた話だから理解しやすい
著者のサイモン・シンという人の別の著作に『フェルマーの最終定理』というものがあります。
360年間どの数学者も証明できなかった定理が、いかに証明されたかをつづったドキュメントです。
過去にこれを読んだのですが、わけがわからないに決まっている数学の定理についての話なのに、ある程度わかって、しかもはらはらドキドキしながら読めるように書いてあった!
科学や数学などのわけのわからない話を、このサイモン・シンならわかるように、そして読み物として洗練された「ふつうのひとの理解の速度」に合わせて書いてくれます。
今回もそう思って読みはじめましたが、かくしてそうでした。
ううーん。
メディア・バイアス/松永和紀
日本の、元新聞記者・現科学ライターの方が書いた新書。
テレビ番組でのねつ造、添加物バッシング、自然志向、「昔はよかった」などが取り扱っているテーマです。
共通して書かれているのは、「言い切りたいがゆえに、おおげさに表現している」ことの問題。
食は生き方にもつながることなので、怖がることも叩くことも要らないと思う。
でも健康情報を追いかけていると「危ない」「嘘」みたいな、感情の起伏が激しめの記事の方が目につきがち。
そういうテンションの高さは一気に静まって、冷静に食を取り巻く多面的な問題を見られるようになる本だと思います。
キーっとなってる時、または健康酔いしているときにうってつけだと思いました。
科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体FOCOM.NETで過去の連載を読むことができます。
アロマセラピーに関する研究論文を探すならAEAJへ
日本アロマ環境協会の会員になると、論文が掲載された雑誌が送られてきて、現在どんな研究がされているのかがわかります。
私自身、手元に送られてきていても読むのが億劫な時があるのですが、上記のような本を読むと「やっぱりもう一度ちゃんと読まねば」と気持ちが締まります。
こういう時に勢い付けて読んじゃえ!
また協会のサイトでは、アロマセラピーにについての論文やアンケートが探しやすいページを用意しています。
ここでは全文は読めませんが、論文のサマリー(要旨)を探すことが可能です。
これだと、論文全体を読むのが大変な時でも、大まかに理解することはできる。
書かれている論文は、
アロマセラピーがどのような場面で使われているか
リラックス効果との関係
などが主です。
論文だけではなくて、図像資料や一般向けに分かりやすく示されているページもありますので、アロマってどうなの?とご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
1000人アンケートの好きな香りランキングなんかは、プレゼントする時の香り選びの参考になるかと。
(公社) 日本アロマ環境協会 | アロマを知る | アロマの研究・調査 | 調査結果 | セルフケアにおけるアロマテラピーの効果に関する
アンケート調査
www.aromakankyo.or.jp
根拠を積み上げて感覚にしていきたい
私は根拠のあることもないことも好きで、アロマセラピーのいいところはそれが混在しているところだとも思っています。
精油のケミカルで実用的な働き(虫よけとか)も好きだし、スピリチュアルが入ったような精神的な作用についての部分(ここでちょっと記事にしました)も面白くてわくわくする。
自分が一生のうちに体験できることは限られているので、こういうものを読みながら「ほんとうか??」とうんうん考えるのが好きなのかも。
科学的なこともそうでないこともひっくるめて、得体の知れないアロマセラピーの世界にこれからも漬かっていくことになりそうです。